薬剤師としての職能を現場で
磨きたいとCROから保険薬局へ
薬学研究科修了後、「創薬につながる仕事がしたい」という思いから、複数企業の多様な薬を扱うことができるCRO(医薬品開発業務受託機関)に入社。データマネジメント職として、治験データのカギとなるデータの整理・分析を担当。新人時代にデータの厳正な取り扱い方を学べたことは、大きな財産となりました。
一方、「せっかく薬剤師免許を取得したのだから、資格を活かして患者さんと接する現場で働いてみたい」という気持ちが大きくなり、保険薬局への転職を決意。当時は地域密着で事業を展開していることや、新店舗の立ち上げに携わるチャンスがあることにこだわって、転職先を選定しました。
新店舗の立ち上げに携わったほか、店長・管理薬剤師も務め、約3年の間にほとんどの診療科の処方箋を扱うなど、一通りの経験を積み、自信を付けることができました。
薬局の中にとどまらない
多彩な活躍フィールドを求めて
現場薬剤師からワンステップ進めて、より広い視野から医療の質向上に取り組みたいと考えるようになり、関西発の企業として最大規模の薬局チェーンであり、なおかつ薬局の中だけでなく、よりよい店舗をつくるための取り組みや、学会での発表、医療機関との連携など、多彩な活躍フィールドがある阪神調剤ホールディングへの入社を決めました。ちょうど持株会社に移行したタイミングで、M&Aによる薬局事業の強化に加え、様々な医療関連事業の充実・発展に注力していることも魅力に感じました。
早速希望が叶い、経営企画部に配属され、M&Aによって新たにグループ入りした薬局マネジメントのサポートを担当することに。最初は「これから、どうなるんだろう」と、阪神調剤グループとして新たにスタートを切ることに不安を抱くスタッフも多く、「今までのやり方を変えたくない」という戸惑いも見られます。そうした現場の声一つひとつに真摯に耳を傾け、「人を大切にする」という当社理念のもと、一方的にこちら側のやり方を押し付けるのではなく、「よりよい店舗にしていく」という共通目標に向けて、よいところは残し、改善すべきところは改善するというように一緒になって取り組むようにしていきました。それによって、最初は変化に消極的だったスタッフも、徐々に理解し、前向きに取り組んでくれるようになりました。「○○さんでよかった」と笑顔で言ってもらった時は、「仲間として認められた」と、とてもうれしかったですね。
現場を知る薬剤師だからこそ
「ありのまま」を率直に伝えたい
さらなるキャリアアップに向けた新たな挑戦として、現在は人材開発部で、採用活動をメインに担当。説明会や各種イベント、面接などを通じて、学生の皆さんに現場で実際に働いていた薬剤師ならではの経験を活かして、具体的な仕事の内容や、その中で感じたことなど「ありのまま」を伝えていきたいと考えています。また、多くの学生に加え、先生や就職課など大学関係者の方々とも接して刺激を受ける中で、自社を客観的に評価したり、強みを分析したりと、多角的な視点を持てるようになるなど、私自身の成長にもつながっています。
学生にとって就職は、人生の岐路とも言える大切なもの。その大事な場面に立ち会えることは私にとって誇りでもあり、大きなやりがいです。正しい判断を下せるように、しっかりとサポートしていきたいですね。