横浜市立大学附属病院

業種 病院
2023年取材記事
治療を継続しながら妊娠・出産をするお母さんたちの力になれる薬剤師へ。
次世代を担う薬剤師
NICU・産婦人科・妊娠と薬外来担当
東北大学薬学部 2021年卒業

2年間にわたるレジデントで
広範囲の臨床スキルを磨く

 患者さんと直接関わり役立つことにやりがいを感じたことに加え、多職種と関わり、カルテ情報を見ながら多角的な視点を身に付けたいという思いから病院を志望。一方で、学校の勉強だけでは不安な気持ちもあり、多様な領域についてより深く学びたいと、レジデント制度のある横浜市立大学附属病院を選択しました。いずれは妊婦・授乳婦領域に携わりたいと思っていたので、「妊婦と薬外来」があることも大きなポイントでした。
 2年間にわたるレジデントでは、抗がん剤の調製などを含む調剤業務のほか、3カ月間のローテーションで多様な診療科の病棟や集中治療室、DI室などを経験し、幅広い臨床スキルを養いました。さらに学会発表を行う中で、症例報告の仕方や文献調査の方法などもしっかりと学び、ジェネラリストとしての基盤を築くことができたと感じています。

命を守り、未来につなぐことに
責任とやりがいを感じる日々

 現在は、希望していたNICU(新生児集中治療管理室)と産婦人科病棟、さらに妊娠と薬外来にも携わることができています。妊婦さんは自分のことだけでなく、赤ちゃんへの影響についても非常にデリケートです。例えば薬の服用リスクも「催奇形性が3%から5%に上がる」という説明だけだと、衝撃を受けて冷静に判断することが難しくなることもあります。そこで「見た目の変化や異常が現れるケースもありますが、100人中95人は大丈夫なんですよ」と伝えるなど、患者さんの心情に寄り添い、伝え方を工夫するようにしています。薬だけでなく、妊娠中や授乳中の生活について聞かれることも多く、英語文献を調べることも増えました。最近では、医師や看護師からの問い合わせも増え、頼られていると感じ、嬉しく思っています。「妊娠と薬外来」では、カウンセリングの後に「妊娠継続に希望が持てた」という言葉をかけてもらうことも多く、大きな決断の一助になっているとやりがいを感じるとともに、身の引き締まる思いです。
 より幅広い知識習得に励み、治療を継続しながら妊娠・出産をするお母さんたちの力になれる薬剤師になっていきたいと意欲を燃やしています。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

新生児薬物治療についてはレジデントでは触れてこなかったため、まずは基本的な知識を身に付けることを目標にしています。将来的には妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の資格を取得し、治療を継続しながら妊娠・出産をするお母さんたちを専門性を発揮してサポートしていけるようになりたいと思います。

ADVICE

学生の皆さんへアドバイス

  • キャリア選択の
    アドバイス

    どういうことにやりがいを感じるのか、モチベーションを維持できるのかを考えるとよいと思います。私も病院実習を通して、どう貢献できたかが見えやすいこと、患者さんとのコミュニケーションが向いていると思えたことで病院を選択しました。

  • 社会人と学生の
    違い

    一挙手一投足に責任が伴う点です。言葉も行動も、すべてカルテに記録として残るということ、また自分の業務が命に直結するということを常に意識しながら、慎重かつ丁寧に取り組むように心がけています。

  • こういう人と
    働きたい!

    自ら考え、行動できること、報告・連絡・相談をしっかりできること、うまくいかなかった時もポジティブに変換できることが大事です。特に、新人のうちは慎重であること、あやふやなまま進めず立ち止まる勇気はすごく大切だと思います。

オフタイム

美味しいものを食べるのが大好きです。
最近はラーメンの新店開拓に力を入れて
います。仕事の節目には友人と
ご褒美ディナーを楽しむことも。
明日からまた頑張ろうと活力が湧いてきます。

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