アステラス製薬株式会社

業種 メーカー
2023年取材記事
病気で苦しむ世界中の人たちに
一つでも多くの治療薬を届けたい。
医学研究科 2008 年修了
私のCAREER
GDOL(開発オペレーションリード)

CRA(臨床開発モニター)、CSM(スタディマネージャー:Clinical Study Manager)を経て、現在は日本とヨーロッパの国際共同試験のオペレーションリードを務めています。「病気で苦しむ人に治療薬を届けたい」という臨床開発職に就きたいと思った初心を忘れず、どんな領域でも積極的にチャレンジしていきたいと思います。

16年のCAREER

  • 1年目

    CRA(臨床開発モニター)

    2カ月間の新人研修を経て、泌尿器領域のプロジェクトに配属され、CRAとして、東京・千葉・埼玉・静岡の医療機関を担当
    *現在、CRAはほとんどがアウトソーシングです

    POINTを見る
    閉じる
    ここがPOINT1

    なかなか相手に自分の真意が伝わらない時、グループリーダーから「相手はどういうタイプか考えて対応してみて」とアドバイスをもらいました。専門領域はもちろん、趣味なども知るようにして、相手に合わせた説明を心掛けることで、話を聞いてもらえるようになりました。

  • 3年目

    中枢領域のプロジェクトで
    CSM(スタディマネージャー)を担当

    中枢領域のプロジェクトに異動し、CSMとして、日本での臨床試験の実施計画書の作成、CSMのマネジメントを通じた進捗および品質管理、承認申請などを担当

  • 9年目

    オランダに研修派遣
    国際共同試験を主導

    Astellas Pharma Europe B.V.(オランダ)に研修派遣。CSMとしてヨーロッパでの臨床試験の実施・管理を学んだ後、泌尿器領域のGDOL(開発オペレーションリード)業務を引き継ぎ、ヨーロッパと日本での国際共同試験の実施計画書の作成、準備を行う

    POINTを見る
    閉じる
    ここがPOINT2

    言葉や文化の壁もあり、辛い夜は送り出してくれた同僚の顔や、みんなからの寄せ書きを見て、元気をもらっていました。「悩んでいても変わらない、チャレンジしよう」と気持ちを切り替えることで、殻を破ることができ、メンタルも強くなったと思います。

  • 11年目

    日本に帰任し
    日本から国際共同試験を管理

    日本に帰任し、オランダで立ち上げた国際共同試験を日本からGDOLとして管理。13年目を迎える現在、プロジェクトを進めるべく日々奮闘している

CRAとしての難しさと
やりがいを実感

 高校生の頃、祖父をがんで亡くしたのを機に、有効な治療薬がなく、苦しんでいる人が世の中には多くいることを知り、臨床開発職に就きたいと思うようになりました。当時は修士以上でないと臨床開発職に就くのが難しい状況もあり、薬学部卒業後、医療現場を肌で感じながら勉強できる環境を求めて医学研究科に進学しました。
 アステラス製薬への入社を決めたのは、人事担当者のフレンドリーな対応や、社員同士が和気あいあいと話していること、さらには面接してくれた開発担当者が「こういう人が上司だったらいいな」と思えるような人だったから。「この人たちと一緒に働きたい」と思えたことが大きかったですね。
 入社後は、2カ月にわたる研修からスタート。MR職の同期たちと一緒に研修所で共に過ごしたことで、同期との絆も深まりました。その後は、泌尿器領域のプロジェクトに配属され、CRA(臨床開発モニター)としての経験を積むことに。担当する医療機関を訪問し、治験コーディネーターさんを通じて臨床試験に協力してくださる患者さまを集めたり、進捗状況を確認したり…。自分一人の頑張りでは限界があるもどかしさと、人に動いていただくことの大変さを痛感しました。単にお願いするだけではなく、まず私を信頼していただくことが重要だと気付き、治験薬や疾患に対する勉強にも熱が入るようになりました。治験薬の効果を感じていただき、「患者さんが治験薬の服用を続けたいと言っている」と医師を通して聞くと、やりがいを感じるとともに、早く承認申請をして薬として使えるようにしたいと活力も湧きます。

実施計画書作成から
承認申請までを一貫して経験

 3年目からは中枢領域のプロジェクトに異動。約6年をかけて、CSM(スタディマネージャー)として日本での臨床試験の実施計画書の作成から、協力医療機関の選定や調整、CRAのマネジメントを含めた進捗状況の管理、承認申請まで、一連の流れを経験することができました。特に精神疾患を抱えた患者さまの場合は、一人で病院に来ることが難しく、ご家族のサポートが欠かせないケースも多く、無理のないスケジュールを組んだり、院内に掲示いただく協力患者さま募集用ポスターも目立つ加工をしたり、様々な工夫を凝らしました。
 また、CSMはCRAを通して、医師、治験コーディネーターさん、さらにその先にいる患者さまに働きかけをしていくため、発信力が問われます。「この人の言うことなら信用できる」と思ってもらえるよう、CRAと日頃から密にコミュニケーションをとり、時には医療機関に同行したり、サポートにも力を入れました。CRAから「このプロジェクトを通じて成長できた」と言ってもらえた時は嬉しかったですね。一人でできることは限界があるけれども、チームで動けば影響を及ぼせる範囲は無限に広がっていくと実感することができました。

オランダへの研修派遣で
養われた多角的な視点

 9年目からはオランダのグループ会社へ研修派遣され、CSMとしてヨーロッパでの臨床試験の実施・管理手法を学んだ後、泌尿器領域のプロジェクトのGDOL(開発オペレーションリード)業務を担当。承認申請まで一番速くたどり着ける道筋を描き、それを実行に移していくのがGDOLの役割です。例えば、どの時期に、どの国で、どの医療機関と協力して臨床試験を行うのがよいか、今まで以上に大きな枠組みで考えることが求められます。
 また、ヨーロッパの医師は、実施計画書で設定された項目一つひとつに対して、「なぜそれをやることが必要なのか」、目的や背景に踏み込んだ質問が多いなど、国による考え方の違いも見られました。多様な価値観に触れたことで、準備段階から多角的な視点で検討できるようになったのは大きな収穫でした。

病気で苦しむ人たちに
少しでも役立てるように

 11年目からは日本に帰任し、オランダで立ち上げた国際共同試験を、引き続き日本からGDOLとして管理しています。これまで14年にわたって臨床開発職を務める中で、多様な経験を積んできました。特に海外への研修派遣を経て、同じ内容を説明するにしても、相手の立場や考えに応じてカスタマイズする、そのバリエーションが広がったと感じています。
 目下の目標は、今担当しているプロジェクトをスピード感をもって、この先も着実に進めていくこと。そして最終的な目標は、どのような疾患領域にも積極的にチャレンジし、「一つでも多くの治療薬を、病気で苦しむ人たちに届けられる人になること」です。また、志を同じくするチームのメンバーや上司から「一緒に働けてよかった」と言われる人になりたいと思います。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

一人でも多くの患者さまやご家族、ご友人が「この薬があってよかった」と思えるよう、アステラスのビジョンである「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていく」ことに貢献し続けていきたいと思っています。

私なりの仕事の心掛け

ご協力いただく患者さまや
医療機関の視点も忘れずに

臨床試験は、参加いただく患者さまのご協力が必要ですし、患者さまのご対応をしていただく医療機関の先生方の協力も必要です。依頼者側の視点だけでなく、ご協力いただく患者さまや医療機関の先生方の視点も忘れず、広い視野から考え、行動するように心掛けています。

これが成功の分岐点

原点回帰することで
明日を見つめることができた

オランダへの研修派遣は、生活・仕事環境とも大きく変化し、私にとって分岐点となりました。最初は英語がうまく話せず、伝わらないことも多く、落ち込むことも。「自分はなぜここに来たのか」「今何をすべきか」「帰任時にどうなっていたいのか」と自問自答することで、「立ち止まって悩んでいても何の解決にもならない」と気持ちを転換することができました。

学生の皆さんへメッセージ

学生のうちに様々な経験をし
視野を広げてほしい

社会人になり就職することはゴールではなく、新たなスタートです。新たな人間関係の構築、新たな勉強を始める際に力となるのが、学生時代の学びや経験です。時間的および体力的余裕がある学生時代に、勉強のみならず、旅行を通じて世界中の人と交流するなど、視野を広げておくとよいと思います。

オフタイム

趣味は海外旅行。歴史、文化、食、旅先での出会いなどを通じて視野が広がり、仕事にも活かされています。写真の緑のトンネル(通称「愛のトンネル」)はウクライナの絶景です。たどり着くまでに長時間かかり、ハプニングも多く、思い出深いです。


開発職はチームで仕事を進めていくことが多く、みんなで飲みに行くことも。目標を達成し嬉しい時、難題に阻まれ苦しんでいる時、声をかけ助け合う仲間がいることは、とても心強いです。

その他の先輩社員を見る

ページトップへ戻る