多様な業務を経験し
幅広い土台を築く
薬剤師のキャリアを当時の国立病院で研修生としてスタート。早期から病棟業務を導入するなど先端をいく医療現場で、先輩薬剤師からあたたかくも厳しい指導をいただき、医療人として、また社会人としての土台を築くことができました。また院外処方への移行に伴うシステム構築を間近で見ることができたこともよい経験になりました。
研修期間終了後は、基幹病院として地域医療の中心的な役割を果たしている豊橋市民病院に入職しました。調剤、医薬品情報、注射調製、製剤、薬品管理・注射、さらに治験管理センター開設時には、治験コーディネーターとして活躍するなど、一通りのセントラル業務を経験。知識をより厚みのあるものにしていきました。
これらと並行して、消化器内科、呼吸器内科、腎臓内科、循環器内科などの病棟業務も担当。さらにNST(栄養サポートチーム)の活動にも参加するなど、幅広く経験しました。
資格取得や学会参加を通じて
交流の輪を広げ、自己研鑽に励む
認定薬剤師制度が注目を集めるようになる中、私も積極的なチャレンジを開始。まずは様々な認定薬剤師の申請資格となっている日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師を取得したことを皮切りに、公認スポーツファーマシスト、NST専門療法士、認定実務実習指導薬剤師、プライマリ・ケア認定薬剤師、老年薬学認定薬剤師、日病薬病院薬学認定薬剤師と、次々に資格を取得していきました。
同時に、全国各地で開催される学会や研修会にも積極的に参加。病院はもちろん、薬局、行政の薬剤師、さらには多くの職種の人たちとも交流を深め、「病院薬剤師として自分は何をすべきか」と熟考するようになりました。離島など医療資源に乏しい地域で懸命に自己研鑽に努める薬剤師とも出会い、薬剤師としてのスキルを磨く上で、自分がいかに恵まれた環境にあるのかを再認識。1つの行動も無駄にはできないと考えるようになりました。
2020年には当院で新たに誕生した「心不全多職種チーム」と「摂食嚥下支援チーム」の立ち上げから参画。両分野とも、薬剤師としての関わりがまだ全国的にも少ないのが現状です。しかし超高齢社会を迎え、心不全や摂食障害の患者さまが爆発的に増加する中で、薬剤師が何もしないわけにはいかないと、本気で考えています。幸い、私の取得している認定資格が活かせることもあり、大きなやりがいを感じて取り組んでいます。
また、後進の育成・指導にも注力。特に自分の経験から、新入職員への指導や資格取得のサポートに力を入れています。さらに最近では実務実習の充実にも取り組み、より質の高い実習プログラムを実施。地域医療に貢献できる情熱に満ちた人材を育成することが、私のやりがいにもなっています。