小児薬物療法認定薬剤師として、
患者さまの治療に寄り添う
2019年3月に念願だった「小児薬物療法認定薬剤師」の資格を取得しました。目指したきっかけは、数年前に勤務していた店舗です。門前の総合病院が総合周産期母子医療センターを有していたため、術後やアレルギーなどの小児の処方箋を多く受け付けており、服薬指導をする中で小児薬物療法の様々な問題を意識するようになりました。
小児適応のある薬剤は現状少なく、添付文書に服用法が出てこないものも多くあります。また幼い子どもが治療の必要性を理解して服薬することが難しく、お母様方も飲ませ方やタイミングがつかめず不安をお持ちでした。例えば、食後薬を状況によっては授乳前に与えて良いか。一般的に良いと言われることは本当にそうかなど、確証を持って服薬指導するには専門知識をもっと得なければと考えました。同じ子どもを持つ母としてお役に立ちたい思いも強かったですね。
資格取得はゴールではなく、知識を活かしより良い小児薬物療法を提供することを目的としています。服薬への疑問点がないかなど積極的にお声がけをして不安を解消し、患児本人が納得して治療に臨み、その結果快方に向かっているといった様子を聞けた時は嬉しいですね。今後も知識を深め、他の薬剤師にも還元していきたいと思い、日本薬剤師研修センター認定集合研修会を定期的に開催しています。
「薬のことは任せた」
在宅チーム医療に貢献
現在の店舗では、薬局長と管理薬剤師を兼務。スタッフの成長をサポートしながら、患者さまのよりお役に立てる薬局づくりを進めていきたいと思っています。また、在宅訪問も多く往診にも同行。薬の副作用や不必要な薬物療法が行われていないかなど、薬のプロとしてしっかり確認。ドクターや訪問看護師と連携し、一人ひとりの症状や検査値を知ったうえで色々な提案も行っています。
先日は手の震えが止まらないなど動作に支障が出ている患者さまに対し、薬剤性の副作用の可能性を疑い薬剤中止を提案しました。結果、症状が早期に消え、表情も明るくなるなどADLが改善。治療のための薬が害になることを防げ、薬剤師としての職能を発揮できたのではと思っています。
「これはどうだろう?」と、在宅チーム(連携しているドクターや訪問看護師にて構成)では様々な方向から深い意見交換ができ、やりがいを感じます。「薬のことは任せた」と言っていただける信頼に応え続けたいと思います。
会社の制度を活用し、
プライマリ・ケア認定薬剤師資格に挑戦
入社して11年ですが、会社や同僚のサポートがあり、とても働きやすい職場だと感じています。まず、いろいろなバックグラウンド、薬物療法の知識を持っている頼りになる仲間・同僚が多く、判断に迷った時に助けられています。在宅で薬剤変更提案をする時も意見を聞きました。また、知識面だけでなく、子どもの発熱等での急な休みも皆にフォローしてもらっています。当社の育休後復帰率は99%超と聞いていますが、仕事を続けられる温かな社風があってこそだと思います。
また、スキルアップを支援する制度が充実しています。私の次なる目標はプライマリ・ケア認定薬剤師です。これまで、急性期から終末期まで様々な薬物療法に触れる中で、例えば小児科から成人科への移行がスムーズに行われていないなど問題を抱えた患者さまが多くいることがわかりました。そこで、健康に関わる問題を総合的に解決・支援できる薬剤師になりたいと思い、専門性の高い資格取得を支援する当社の「プロフェッショナルファーマシスト制度」を利用し昨年度から勉強を開始しました。より知識を深め、小児科から成人科への移行の橋渡しを始め全世代の薬物治療、地域医療に貢献できたらと考えています。