株式会社スギヤマ薬品(ドラッグスギヤマ、スギヤマ調剤薬局)

業種 保険(調剤)薬局ドラッグストア(調剤併設含む)
2025年取材記事
次代を担う後進の成長を支え 薬剤師のやりがいや楽しさを伝えたい。
教育部
薬学部 2019 年卒業
私のCAREER
教育担当(教育部 係長)

ドラッグストア併設店舗、調剤専門店、新規開局などを経験する中で、常に「地域の方々に寄り添う薬剤師」を目指し、患者さん一人ひとりにとってのベストな応対を追求。現在は教育担当として新入社員や実務実習生に知識や手技だけでなく、薬剤師のやりがいや楽しさを伝えています。

7年のCAREER

  • 1~3年目

    ドラッグストア併設店舗
    「妊娠・授乳サポート薬剤師」認定取得

    5カ月の新入社員研修後、ドラッグストア併設店舗に配属。手厚いサポート環境のもとで、健康イベントや小児を含む在宅業務も経験。「妊娠・授乳サポート薬剤師」の認定を取得し、健康イベントで妊娠・授乳中患者の相談コーナーを開設

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    ここがPOINT1

    健康イベントに興味を持っていた私に参加する機会をつくってくれたり、「妊娠・授乳サポート薬剤師」の取得を勧めてくれたり。常に「やってみる?」と背中を押してくれる温かい環境があったからこそ、若手のうちから様々な経験を積むことができたのだと感じています。

  • 4~5年目

    調剤専門店
    研修講師や健康イベントを経験

    調剤専門店であるスギヤマ調剤薬局へ異動。高齢者施設での健康イベント開催などを通して医療施設と連携した地域貢献に取り組むほか、新入社員研修に講師として参加するなど、経験の幅を広げる。また、店舗を異動してもなお自分を信頼して通ってくれる患者さんの存在が、薬剤師としての大きな自信に

  • 6年目

    ドラッグストア併設
    新規開局店

    新規にオープンしたドラッグストア併設の薬局へ異動。薬局長の補佐役として、近隣クリニックの開院に伴う処方箋応需数の大幅な伸長に対応。徹底的な業務効率化を進めながら、医師と緊密に連携することで、患者さん一人ひとりへの丁寧な服薬指導を実践

  • 7年目

    教育部 係長

    教育部へ異動し、係長に就任。新入社員研修、実務実習でのOTC研修などを主に担当。現場で培った知見をもとに、知識や手技だけでなく、薬剤師として働く意義や楽しさを伝えることに情熱を注ぐ

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    ここがPOINT2

    本格的に教育に携わることになり、自分も学び直すことで知識が深まりました。研修受講者からの「楽しかった」「ためになった」という言葉が何よりの喜びで大きなやりがいを感じています。教えることは自身の成長にもなり、患者さんへのアプローチにも活かされ、より寄り添った支援につながると感じています。

実習で理想の薬剤師に出会い
病院から薬局へ進路を転換

 私が入社を決めたきっかけは、薬局実習の実習先がスギヤマ薬品だったことでした。実はそれまでは病院薬剤師を志していたのですが、実習先店舗の指導薬剤師が一人ひとりの患者さんやご家族の生活背景に合わせた接し方で深く寄り添い、患者さんから慕われている姿を見て、「私もこんな薬剤師になりたい!」と思うようになったのです。「実習先以外もしっかり見るべき」と先生からのアドバイスを受けて他社の研究もした上で、「スギヤマについてもっと知りたい」とインターンシップに参加し、他店舗も見学。スギヤマ薬品では、どの店舗でも薬剤師だけでなく店舗スタッフも気さくに話し掛けてくれました。「この会社の人たちは、患者さんや同僚だけでなく、入社を目指す学生に対しても、こんなにも温かく接してくれるのか」と感動すら覚え、「こんな人たちと一緒に働きたい」と入社したのです。
 新入社員研修で印象的だったのは、研修センターの模擬薬局で処方箋受付から服薬指導まで一連の流れをまるで実際の患者さんに接するように徹底して学べるカリキュラムがあったことです。ロールプレイングでは患者さんの性格なども細かく設定されていて、質問への対応にも患者さんのタイプ別のフィードバックがもらえます。新人の不安を払拭すると同時に、その先にいる患者さんにも思いを巡らせ、プロの薬剤師として自信と責任を持って対応できるよう万全の準備をさせてくれる環境に、患者さんも従業員も大切にする社風を感じました。

長所を伸ばす職場が
患者さんとの出会いを導く

 初配属はドラッグストア併設の薬局でした。当初はミスが多く、「薬剤師に向いていないかも…」と落ち込むこともありましたが、上司や先輩は「ミスは慣れると減る。あなたは対人能力が高い。そこを活かそう」と私の長所を引き出し、温かく見守ってくれました。
 先輩方のアドバイスのもと、患者さんの話に真摯に耳を傾け、表情にも気を配るように心がける中で、忘れられない患者さんとの出会いもありました。きっかけは2年目を迎えた頃にかかってきた電話で、「糖尿病なのに育児のストレスから、つい間食をしてしまい、そのたびに後悔している」というような内容でした。来局時もひどく沈んだ表情で終始伏し目がち。病院にもご家族にも相談しづらいようだったので、来局のたびに傾聴していると、いつしか来局時に「○○さんいますか」と声を掛けてくださるようになりました。周囲の先輩も「一番奥の投薬台、空けておくから」と、患者さんと一対一でじっくり向き合える環境を整えてくれました。糖質0のお菓子や野菜スティック、散歩をはじめとする運動などを提案していくと、徐々に実行してもらえるようになり、ポジティブなフィードバックを重ねるうちに信頼も高まっていきました。
 店舗異動の後も、その患者さんは「やっぱり○○さんがいい」と、異動先の店舗へ来てくれました。再会した時の見違えるように明るくなった笑顔を見て、「薬剤師としてすべきこと」が改めて見えてきたような気持ちに。傾聴に加えて、指導力を磨こうと、一層勉強にも力が入るようになりました。

丁寧な服薬指導を貫き
患者さんからの支持を獲得

 6年目にはドラッグストア併設の薬局の新規開局を経験しました。患者さんへの丁寧な応対を徹底することで、徐々に足を運んでくださる方も増え、処方箋応需数が大きく伸長し追い風になるとともに、「患者さんが増えたからといって、これまでの丁寧な応対を崩すわけにはいかない」という緊張感も。そこで薬局長と共に、あらゆる業務を今一度見直すなど徹底した業務効率化にも全力で取り組みました。さらに医師との連携をより緊密にし、処方の基本方針や採用薬などを事前に共有してもらうことで、スムーズな調剤と的確な服薬指導につなげていきました。
 「丁寧な応対」の本質は、患者さんが求めていることや不安、薬の特性などに応じて、どう伝えるのがよいかを常に考え、実践していくことだと考えています。例えば外用薬の塗り方など、口頭での説明よりも指導箋や動画サイトの方が分かりやすい場合もありますし、相手の急ぎ具合に合わせて臨機応変に対応することも必要です。そうして一人ひとりの患者さんと誠実に向き合う服薬指導を続けた結果、近隣クリニックの患者さんの9割が私たちの薬局を選び続けてくださったのです。

教育部で研修を担当
薬剤師の「楽しさ」を伝えたい

 7年目となり、教育部へ異動。様々な店舗へ薬剤師として応援に入りながら、現場で経験した事例などを新入社員や実習生の研修に取り入れています。研修では、知識を教えるだけでなく、それが患者さんにとってどのようなプラスになるのかまで伝えるように心掛け、また学習者自身に「考える」ことを促し、彼らが自ら導き出した工夫や意見を尊重することを大切にしています。かつての私のように、自分の長所に気づき、誰かの役に立てたと実感し、仕事が楽しいと感じる瞬間をつくることが、成長の原動力になると信じるからです。
 実を言うと、教育部への異動が決まった時は、ちょうど「生涯をかけて、地域の方々に寄り添う薬剤師を目指していこう」と燃えていた時期で、現場を離れることに戸惑いもありました。しかし、「教育は単なる知識や手技の伝達ではない」と、教育の原理や理論へと学びを深めていく中で、患者さんの行動変容を支える服薬指導につながる新たな視点も得ることができ、改めて多様な経験が成長につながることを実感しています。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

患者さんや同僚、他職種の方からも「この人がいてくれてよかった」と感じてもらえる薬剤師でありたいと考えています。豊富な知識を相手に合わせて分かりやすく伝え、行動変容を促すような服薬指導や研修を行えるようになることが目標です。そのためにも「教育」についての学びを深めていきます。

これが成功の分岐点

「苦手」と思っても
まず一歩踏み出してみる

新人時代、在宅医療のサービス担当者会議に「参加してみる?」と声を掛けてもらった際、大勢の中で発言することに苦手意識のあった私は一瞬、躊躇しました。しかし、「まずはやってみよう」と挑戦したことで、チーム医療に貢献できる喜びや多角的な視点を得る楽しさに気づくことができました。苦手と思っても一歩踏み出してみれば世界が広がります。それを促してくれた職場に感謝しています。

私なりの仕事の心掛け

目の前の人を尊重し
自分なりの楽しさを見つける

患者さん、同僚を問わず、目の前にいる人を一人の人間として尊重し、思いやるという基本を大切にしています。また、状況の捉え方は心持ち一つで変わるので、常に仕事の意義や自分なりの楽しさを見つけ、うまくいかなかった時も「伸びしろ」だと考えて前向きに取り組むことが、ひいては患者さんのためにもなると信じています。

学生の皆さんへメッセージ

職場環境を見る視点も大切
自分の「得意」を伸ばしてほしい

職場で働く姿をできるだけ具体的に想像し、「なりたい自分でいられるか」「自分と似た目標や価値観を持つ人がたくさんいるか」「仲間の一人として尊重し合える雰囲気があるか」といった視点で職場環境を見ることも大切です。また、周囲からの褒め言葉などを素直に受け止めて長所を伸ばしていけば、自然と社会への貢献につながっていくと思います。

オフタイム

休日は友人と過ごしてリフレッシュしています。
幼少期からの友人や、社内の同期・先輩・後輩などとの交流は、
気分転換だけでなく様々な刺激をもらう機会にもなっています。
読書も好きで、多様な登場人物の視点を体験することは、
自分とは異なる価値観や生活への理解を深めることにも
つながると思っています。

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