色々な経験ができるところに魅力を感じ、
公務員の仕事を選択
大学内の就職説明会で公務員という選択肢があることを知り、「調剤しない薬剤師」の働き方に興味を持ちました。もともと同じ場所で同じ仕事を継続して行うよりも、いろいろな経験をしたい性格。数年ごとに部署異動があり、自分が生まれ育った大好きな大阪のために働くことができる府庁の仕事は、私にとって理想的でした。入庁者向けの説明会で各課の仕事概要を聞いた際、環境衛生監視員が関わる領域の広さに興味を惹かれ、面談の結果、希望が叶い環境衛生監視員として配属されました。
入庁後1~2年目は藤井寺保健所、3~4年目は岸和田保健所へ配属。遊泳場の水質検査や理美容所やクリーニング、旅館などの監視指導を行いました。遊泳場条例には海水浴場も含まれており、4月頃に協力船に乗ったり胴長を着て海に入ったり、現地に赴き海水を採水して検査を実施。検査の結果、安全性が確認でき無事に海水浴場をオープンすることができました。「海開きの神事」にも立ち会い、地元の園児たちが一目散に海に向かって走り出し、楽しそうに泳いでいる様子をみたとき、大阪府庁の仕事の幅広さを感じました。
「寄り添う姿勢」の大切さ
を実感した現場での日々
印象に残っているのが入庁2年目で「生活と環境全国大会」という環境衛生分野のイベントに大阪府代表として登壇したこと。屋内プールにある採暖槽、いわゆるジャグジーに繁殖しやすい“レジオネラ属菌の危険性”をテーマに、各保健所が調査した結果をプール担当者で相談し、保健所の先輩や本庁の方からも様々なサポートをもらい、とりまとめて発表。おかげで優秀賞をいただけました。若手にこのような貴重な経験をさせてくれるのは大阪府庁の風土ですね。後進育成のために、難しい業務でも積極的に挑戦させてくれる職場だと実感しました。
また、保健所勤務の4年間で学んだのは「寄り添う姿勢」の大切さ。環境衛生監視員という仕事は、単に検査・指導するだけではありません。例えば、水質が基準に満たないなどの理由で町の浴場が営業停止になれば、浴場を生活で利用する府民や事業者にとって大きな影響があることを肝に命じ、どうすれば問題に対処できるかを寄り添って考えることが必要です。そうして一緒に問題を解決して喜んでもらえたときは、充実した達成感がありました。
多彩な知識や技術を学び
目指すのはオールラウンダー
入庁から5~6年目は、部内の人事交流制度によって、本庁の薬務課へ異動し、薬事監視員として経験を積みました。化粧品や医薬部外品の製造業・製造販売業の許認可を担当し、製造から流通までを段階的に審査・指導したり、事業者の提案が薬機法に沿っているかを確認したり。他部署の業務の進め方を俯瞰的に見れたことで視野が広がり、その後に環境衛生課に戻った際に大いに役立ちました。
その後、吹田保健所を経て本庁の生活衛生グループへ異動。現在は主に温泉の担当をしています。地下から汲み上げる温泉で、掘削から温泉施設の営業許可までを行う、少し特殊な分野です。先輩に勧められた地質学の本を読んだり、法律について勉強したり、知識の幅を広げています。次は何を担当できるのだろうと期待しながら、今の仕事を楽しんでいます。