副作用を心配する患者さまの
多さを知り、PVを志す
薬学部での病院実習時、副作用を心配する患者さまがとても多いと感じ、副作用情報を扱うPV職に興味を持ちました。医薬品メーカーにもPVはありましたが、CROのPVはさまざまなメーカーと関わることができ、中でもイーピーエスでは、がんや皮膚疾患など幅広い領域の薬剤に携われることに魅力を感じて入社を決めました。
CROのPVの仕事は、主に「症例処理業務」と「文献スクリーニング業務」があります。「症例業務」は、治験の情報の他、医師やMR、あるいは患者さまなどから寄せられる有害事象などの症例情報をデータ化し、使用された薬剤との因果関係や、有害事象の重篤性、新規性の評価を行います。「文献業務」は、担当している薬剤に関する文献の翻訳、要約を行い、報告が必要だと判断したものについては、規制当局への報告案を作成します。
入社1年目は国内メーカーの症例業務を主に担当。CROが行う一次評価では、クライアントから具体的な判断基準が示されており、マニュアルに沿って正確な作業を行うことを徹底しました。思い込みや確認不足がミスを招くため、今でも疑問点や不安なことは必ず確認し、メモやTo-Doリストを活用しています。
特定派遣でメーカーに
勤務した経験が大きな転機に
2年目からは担当していたメーカーで特定派遣という立場で勤務し、症例業務と文献業務の「最終評価」に従事。検査値の変動も詳しく分析し、患者さまの合併症や併用薬の影響なども総合的に考慮して、時には一次評価と異なる判断をすることも。重篤性や因果関係、新規性を最終評価することの難しさと責任の重さを痛感し、疾患に関する最新の知識を日々学ぶなど自己研鑽に励みました。メーカー側の視点や意図などを深く理解し、自社に持ち帰ることができたこの貴重な経験は、私のキャリアにおいて転機となり、以降の業務にも大いに役立っています。
2度の産育休を経て変化した
仕事への向き合い方
4年目には、産休・育休を取得。当社では女性はもちろん男性の育休取得者も多く、「育児は大変だけど頑張って!」「戻ってきてね」などと温かく送り出してもらえました。復帰後は、入社1年目に担当していたメーカーの業務へ戻りました。業務のルールが変わっていたり、記憶が薄れていたりして戸惑いもありましたが、復帰後1カ月ほどの研修期間のおかげで新しいルールに慣れる時間を確保できてとても助かりました。
6年目には2度目の産休・育休を取得して復帰、現在は時短勤務をしています。イーピーエスでは在宅勤務が活用できるため、昼休みに夕食の準備を済ませるなど仕事と育児を両立しやすい環境です。限られた時間の中で効率よく業務を進めるため、仕事のやり方も工夫するようになりました。悩む時間を極力減らし、迷ったらすぐに相談するなどこれまで以上に時間を有効に活用できるよう意識しています。
現在は抗がん剤や抗精神病薬、抗生物質など幅広い薬剤を製造しているメーカーの国内症例評価を担当しています。以前担当していた業務とは報告されてくる有害事象も、評価ルールも異なりますが、さまざまなメーカーの考え方を吸収し、次の業務に生かしていけることはCROのPVならではの醍醐味です。
PVがデータ化した多くの症例情報の背後には患者さまがいて、一人ひとりに生活があり、大切な家族もいることでしょう。そうしたことにも思いを致しながら、薬学部時代の病院実習での初心を忘れることなく、副作用に苦しむ人が少しでも減るように日々の業務に取り組んでいきます。