パナソニック健康保険組合 松下記念病院

業種 病院
2019年取材記事
多様な人や業務と関わる中で、幅広い知識を習得し、オールマイティに進化したい。
薬剤部
薬学部卒業 2013 年入社
私のCAREER
外来がん治療認定薬剤師

ケモ(化学療法)チームの主要メンバーとして、レジメン管理などを担当するほか、 緩和ラウンドやクリニカルパス委員会にも参加。 さらに薬剤師外来の開設や薬薬連携の推進にも注力し、薬物療法の質向上にトータルに取り組んでいます。

7年のCAREER

  • 1年目

    調剤業務
    ケモチームに参加

    調剤をはじめとする薬局内の業務について1年間を通じて徹底的に学ぶ。半ば頃からは、ケモチームにも参加し、医師の指示に基づいたレジメンの作成などを行うほか、後半には新たなレジメンシステムの導入に伴う混注手順書の作成などにも携わる

  • 2年目

    病棟に常駐し
    病棟薬剤業務を担当

    ケモチームとしての活動を継続しながら、婦人科や血液内科、小児科などの病棟薬剤業務を担当。患者さんへの服薬指導はもちろん、多職種と連携して副作用の管理や、薬効の確保など、よりよい薬物療法の実践に注力

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    ここがPOINT1

    多職種と協働する中で、薬剤師である自分の求められる役割は何かを強く意識するようになりました。薬学的見地からの発言、行動を心掛けるようにしたことで、相談されることも増えました。

  • 4年目

    がんワーキングや薬剤師外来を開始
    外来がん治療認定薬剤師の資格取得

    ケモチームの主要メンバーとして、引き続き副作用の軽減などを目的とした医師への処方提案などを含めたレジメン管理などにも携わるほか、看護部とがんワーキングを協働で月1回開催。薬剤師 外来の開設に伴い、外来がん治療認定薬剤師の資格も取得

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    ここがPOINT2

    入院中だけでなく、外来患者さんにも積極的に介入することで、薬物療法の質向上に貢献できています。よりシームレスな治療環境をつくりたいと薬薬連携にも、さらに力を入れるようになりました。

  • 6年目

    クリニカルパス委員会
    緩和ラウンドに参加

    クリニカルパス委員会や緩和ラウンド、腫瘍内科カンファレンスに参加するなど活躍の場を拡大。実習生や研修医の指導も行うなど、中堅として後進の育成にも注力

オールマイティな進化を
目指して多様な業務に挑戦

 もともと病院を第一志望にしていたわけではなく、MRなど企業への就職を考えていました。病院は閉鎖的で風通しが悪く、ルーチンワークが多いなどのイメージを持っていたからなのですが、病院実習でそんな先入観は吹き飛びました。初めて病棟に上がり、患者さんとベッドサイドで話したり、多職種と接したりと、業務内容は予想以上に多岐にわたり、あっという間に時間が過ぎていく日々で、改めて大変ながらもやりがいのある仕事だと実感し、病院を志望するようになったのです。多様な業務に携わり、オールマイティに進化したいと、診療科が揃っていながら大規模すぎない当院に入職を決めました。ちょうど病棟業務を本格化させるタイミングで「これから一緒につくっていこう」という薬剤部長の熱意あふれる呼びかけにも心惹かれました。
 1年目は、秋までに夜勤ができることを1つの目標に、調剤業務を徹底して学ぶとともに、中頃からはケモ(化学療法)チームにも参加。病院実習の時に乳がん患者さんを担当し、少しでも不安を軽減できるように知識を蓄えたいと思っていたので、モチベーションも上がりました。ケモチームでは、医師の指示に基づいたレジメンの作成から、投与量や副作用のチェックなどの運用管理、医師への処方提案などを行います。先輩について、一つずつ覚えていきました。さらに新しいレジメン管理システムの導入にも携わるなど、1年目にしてさまざまな経験をすることができました。

多職種と協働する中で
薬学的な見地を強く意識

 2年目からは病棟に常駐し、病棟薬剤業務を開始しました。最初は、ナースステーションに一日中いるという状況に大きな不安があったのですが、医師も看護師も皆、やさしく接してくれました。助けてもらうだけでなく、私も少しでも役に立てることを増やせるよう、自分ができることは何かと考え、行動するようになりました。同時に、薬学的な視点を強く意識するようにもなりました。患者さんはもちろん、看護師をはじめとするスタッフにとっても、病棟では私が薬学の頼みの綱と言える存在。服用や投与のしやすさは重要ですが、薬効を第一に考え、代替がきかない薬剤の場合は、その理由もしっかりと説明し、納得してもらえるようにしました。病棟スタッフの一員として、かつ薬剤師として、自分は何が求められているのかと深く考え、発言したり、行動したりするように意識したことで、他職種から相談されることも増えてきました。

薬剤師外来を開設し
薬物療法の質向上に貢献

 4年目になると、ケモチームの主要メンバーの一人としてこれまでも実施してきた化学療法管理などに加えて、看護部と協働して月1回のがんワーキングを開始しました。さらに、外来のがん患者さんにも介入できるようにと薬剤師外来の開設にも尽力。外来がん治療認定薬剤師の資格取得を目指す中で、当院で採用されている薬や薬物療法にとどまらず、改めて全般的に学ぶことができ、知識の幅も広がりました。
 その後もがん領域に興味を持つ薬剤師が多く育ち、薬剤師外来も立ち上げ期は週3回だったのが、現在では週5回で加算が取れる体制を整えています。それに伴い、外来患者さんへの介入件数も以前は月 10 件程度だったのに対して、現在では180件にまで増加。副作用の見逃しも減り、また院外薬局からの医師への疑義照会の件数も減るなど、薬物療法の質の向上に貢献できていると思います。
 さらに現在は保険薬局との連携をさらに深めるべく、連絡体制の強化を目的とした仕組みづくりも進めています。

活動の輪を広げ
より幅広い知識の習得へ

 6年目からは緩和ラウンドの一員として緩和領域の専門医師、看護師のほか、理学療法士、栄養士など他職種と一緒に週1回、病棟の巡回などを行っています。さらにクリニカルパス委員会にも参加し、主に手術関連の診療科の医療スタッフとクリニカルパスの作成に携わっています。腫瘍内科カンファレンスにも参加し、多職種スタッフと情報共有や意見交換を活発に行い、麻薬管理担当者として麻薬の在庫管理や適正使用の推進にも力を尽くしています。
 1年目にケモチームに参加して以来、がん領域を中心としながら着実に活躍の場を広げられている一方で、他領域ではまだまだ学ぶことが多いというのが実感です。7年目を迎える現在、知識不足を経験値で補うこともあり、今一度、原点に戻って考えなければと思うこともしばしばあります。後輩を指導する立場になってきたことも考え、より幅広い知識を積極的に吸収し、他職種からも後輩からも頼られる存在になっていきたいと思います。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

今後はがん領域に限らず、入職時に目指していたオールマイティの実現に向け、原点に立ち戻り、幅広い知識の習得に励むなど、さらなる研鑽を積んでいきたいと思います。また最近では実習生や研修医の指導も任される機会も増え、指導力の強化も課題です。

私流自分の磨き方

「これさえ見ればOK」と思えるノートをつくる

新人時代は、先輩に教えてもらったこと、自分で調べて学んだことはすべてメモをとり、自宅に帰ってから当院の調剤内規に要点を整理して書き込むなど、「この1冊さえ見ればOK」と思えるようにしていました。その後も、見返す時にわかりやすいように、仕事の傍ら勉強したことを1冊のノートにまとめるなど工夫しています。

これが成功の分岐点

期待に応えようと思う気持ちが
私のチャレンジの原動力に

1年目の終わり頃に新たなレジメンシステムが導入され、混注手順書をデザインするなどシステムの構築に携わることができました。
何もわからず手探りでのスタートでしたが、あの時のガッツは今も忘れられないもので、任せてもらったことに感謝しています。「あなただから任せている」と言われたり、頼られたりすると、挑戦しようとモチベーションも上がり、おかげでいろいろな業務に携わらせてもらえていると思います。

ADVICE

後輩の皆さんへアドバイス

自分とは異なるバックグラウンドの人と意識的に交流することが大切

どうしても薬学部内だけだと固定観念にとらわれがちなので、意識的に学外に出て、アルバイトやボランティア活動などを通じて、自分とは異なるバックグラウンドの人たちと付き合うとよいと思います。社会に出れば、さまざまな背景を持つ患者さんと接することになりますし、また自分が行き詰まった時に、違う角度からの意見をくれる友人の存在は心強いものです。

オフタイム

最大で10日間連続で休暇を取れる長期休暇制度を活用して、国内外の旅行を楽しんでいます。昨年は友人と一緒に初めてハワイ旅行に!天候も景色も食事も、すべてが最高でした!



職場は同年代の人も多く、普段から飲み会をしたり、プライベートで遊んだりしています。サッカーW杯の試合をパブリックビューイングで観戦した時は多いに盛り上がりました!

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