さくら薬局グループ

業種 保険(調剤)薬局
2021年取材記事
新たな知見を常に吸収し、適切な治療をサポートできる薬剤師へ。
薬学部 2008 年卒業
私のCAREER
管理薬剤師/外来がん治療認定薬剤師

先進医療を担う大学病院前から地域密着のクリニック前まで多様な店舗を経験し、さらに大学病院での研修や、外来がん治療認定薬剤師の資格取得などにもチャレンジしてきました。今後も自己研鑽に励むとともに、現在は暫定認定となっている外来がん治療専門薬剤師の資格取得を目指していきます。

14年のCAREER

  • 1年目

    総合病院前(足利店)に配属

    総合病院の門前とあって、薬の量や種類が多く、また病気も治療法も多岐にわたる中で、幅広い知識を養う。先輩を見習い、服薬指導の内容だけでなく、伝える技術や、時間配分を意識した働き方など、薬局薬剤師としての基盤を構築

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    ここがPOINT1

    1年目から総合病院前で、毎回違う処方箋や薬剤を扱うのに戸惑いましたが、今ではその経験をしたからこそ、幅広い対応力が培われたのだと思っています。薬剤師の数も多く、いろいろな先輩の投薬スタイルを見ることでとても勉強になりました。

  • 4年目

    クリニック前
    (太田飯田店)に異動

    耳鼻科・小児科の門前に異動し、花粉症シーズンには1日250枚という大量の処方箋を扱う中で、作業の効率化や動線の工夫など、待ち時間の短縮に取り組む。処方箋から医師の処方意図や治療方針を読み取る力にも磨きをかける

  • 8年目

    管理薬剤師
    (宇都宮店~自治医大前店)

    人員配置や売上管理なども担当。先進的な医療を支える大学病院前だけに、全国でも症例の少ない難病や重大な疾病を抱えている患者さまも多く、一層の知識習得に励む

  • 10年目

    病院研修(6カ月間)を
    経験

    高度な治療現場を自分の目で見て、知識や経験の幅を広げたいと大学病院での研修を志願。調剤室から無菌調製、抗がん剤のミキシング、病棟での患者さまへの服薬指導など、病院薬剤師の仕事を一通り経験

  • 12年目

    外来がん治療認定薬剤師の
    資格を取得

    病院研修やこれまで学会などに参加して得た知識や経験をカタチにしたいと外来がん治療認定薬剤師の資格を取得。患者さまへの指導内容も充実し、また資格を持っていることで信頼感も増し、よりよい薬物療法へとつなげている

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    ここがPOINT2

    資格を取得したことで、患者さまとより深く話せるようになったり、資格を持っているからと信頼し、相談してもらえることも増えたり、かかりつけ薬剤師に選んでもらえたりするようになりました。治療法や薬剤は進化しつづけていくので、私自身も常にブラッシュアップしていきたいと思います。

土台となる幅広い知識と
コミュニケーション能力を養う

 患者さまの治療に直接携わる仕事がしたいと考えていた私にとって、病院と調剤薬局の2つが就職先の候補でした。悩んだ末、クラフトへの入社を決めたのは、大学病院や地域の拠点病院から地域密着のクリニック前まで、多様な店舗を展開する同社なら学べる幅も広いと思ったからです。
 入社後、最初に配属されたのは総合病院前の店舗。取り扱う薬の種類も量も多く、かつ疾病や治療法も多種多様で、衝撃を受けました。わからないことや疑問点をそのままにせず、その度に調べたり、先輩に聞いたりすることを徹底する中で、半年が経つ頃には、ようやく一通りの薬は覚えることができました。
 また、実際に服薬指導をするようになって痛感したのは、コミュニケーション能力が非常に重要だということです。指導内容が適切でも、相手に伝わってなければ意味がありません。先輩の服薬指導を参考にしながら、患者さま一人ひとりに合わせた伝え方を探り、言葉遣いから話の組み立てまで、いろいろと工夫を凝らすようにしました。
 最初に総合病院前を経験したことで、薬や疾病に関する幅広い知識を得られたことはもちろん、多くの素晴らしい先輩たちから仕事に向き合う姿勢を学べたことは、その後の大きな財産になったと思います。

スタッフ皆で知恵を絞り
誰もが「気持ちよい」場所へ

 4年目にはクリニック前の店舗に異動となり、医師との距離が近い中で、処方意図や治療方針を共有しながら服薬指導に励むなど、総合病院前とはまた違う経験を積むことができました。
 8年目からは管理薬剤師となり、人員配置や売上管理なども行うようになりました。レセプト請求に関わる保険や関連法規の知識など学ぶことも多く、「薬局を運営するためには、こんなにも幅広い知識と、マネジメント能力が必要なんだ」と改めて実感しました。初期研修だけでなく、毎年、継続研修があったり、エリアを統括するマネージャーが日々サポートしてくれたり、充実したフォロー体制は本当にありがたかったですね。
 患者さまにとっても、働くスタッフにとっても、「気持ちよい」と感じられる場所にしたいと、日頃からスタッフとの連携を意識し、誰もが意見を言いやすい雰囲気づくりに努めました。私1人で考えるより、皆で知恵を絞ったほうが、よりよいアイデアが見つかりますから。例えば、定期的に開催している市民講座のテーマも皆で考え、決めるようにしています。アロマの資格を持っているスタッフがいることから、アロマのバスボムづくりをしたり、AEDの使い方講座をしたり…。スタッフの得意分野も活かしながら、患者さまだけでなく、地域の人たちに気軽に来てもらえるきっかけづくりにも力を入れています。

「新たな知見を得るチャンス」と考え、
大学病院での研修へ

 9年目から現在に至るまでは、大学病院前の店舗で管理薬剤師を務めているのですが、異動してきた当初は、「まだ見たことのない薬や処方がこんなにある」と衝撃でした。全国的にも症例が少ない難病や移植など、特殊なものもあり、管理薬剤師として店舗全体を統轄しながら、勉強に励む日々が始まりました。そんな時に、大学病院で半年間の研修をしてみないかというお誘いをいただき、「高度な治療の現場を見て、新たな知見を養いたい」と、二つ返事で引き受けました。
 病院研修では、薬剤部のすべての部門を回り、通常の調剤から無菌調剤、抗がん剤のミキシング、さらには病棟業務に至るまで、病院薬剤師の業務一通りを見て、経験させてもらいました。これまでは、薬局でがん治療中の患者さまに副作用を抑える薬などをお渡ししていたのですが、その患者さまが病院でどのような治療をされているのか、想像でしかありませんでした。それを実際に自分の目で見ることができたことで、その後、薬局に戻ってからは、これまでよりも一歩踏み込んで、より患者さまに寄り添った説明やアドバイスができるようになりました。心を開いて話してくれる患者さまも増え、そのお話をもとにより適切なアドバイスができたりと、よい循環が生まれていると感じています。

経験や資格を活かして
後進の指導にも注力したい

 病院研修や学会などを通じて習得した知識や経験をカタチにしたいと、外来がん治療認定薬剤師の資格取得を決意。試験勉強や提出する症例作成など、簡単ではありませんでしたが、おかげでがんに関する幅広い知識を得ることができ、患者さまに伝えられる内容も増えたと感じています。
 今後は、資格を活かして、後進の指導にも携わっていければと考えていますが、後輩の中には、がんに苦手意識を持っている人もいます。がんに関わる正確な知識はもちろん、勉強の仕方なども含めて、私が知っていることや経験してきたことを伝えることで、少しでも不安なく、自信を持ってがん患者さまと向き合えるようになってくれればと思っています。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

がん治療は新しい治療法や薬剤が日々出ており、現在も10年前とは比較できないほど進歩しています。今後もさらに進歩していく中で、患者さまのQOL向上につながるよう、一つひとつ着実に知識を増やしていきたいと考えています。また、外来がん治療認定薬剤師の資格を活かして、後進指導に力を入れ、患者さまが適切な治療を受けるためのサポート体制をチームとして高めていきたいと思います。

これが成功の分岐点

患者さまとの信頼関係の構築が

薬物療法の質的向上のカギ

病院研修で治療の内実に触れたことに加え、外来がん治療認定薬剤師の資格を取得したことで、患者さまにより信頼していただけるようになり、心を開き、いろいろとお話ししていただけるようになりました。コミュニケーションの充実は、より多くの情報収集につながり、ひいては薬物療法の質的向上に貢献できる、とても重要なことだと実感しました。

私流自分の磨き方

疑問はできるだけ即解決、

“To Do リスト”は 優先順位を付けて

私が新人時代から今に至るまで日々、心掛けているのは、わからないことや不明点をそのままにしないということです。何かひっかかることがあれば、すぐにメモをして、時間が空いた時に調べるようにしています。また、“To Do リスト”も、今日やること、明日やること、いついつまでにやること、というように優先順位や期限を定めて作成することで、もれがないようにしています。

学生の皆さんへメッセージ

薬剤師としての将来ビジョンを胸に

計画的な学びを

調剤薬局では、コミュニケーション能力が非常に重要になってくるため、可能であれば学生時代に接客に関連することを経験しておくとよいと思います。また、国家試験に合格し、薬剤師の免許を取得することはゴールではなく、むしろスタートです。その後、どのような薬剤師になりたいか、何を学んでいきたいかなど、その先のビジョンを持って学ぶようにしてほしいと思います。

オフタイム

有給休暇を利用して、同僚と海外旅行に行ったり、アーティストのライブやミュージカルの舞台、サッカーを見にいったり、みんなでBBQをして盛り上がったりして、リフレッシュしています。新型コロナウイルスの影響で、みんなと集まることができない今は、自分でおつまみをつくって、音楽をかけながら、家呑みを楽しんでいます。

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