様々なキャリア~目標とする働き方~
独立行政法人国立病院機構 東海北陸グループ
インデックス
- 精神疾患を抱える患者さんの安全かつ合理的な薬物療法を支え 予後の改善につなげたい。 名古屋医療センター 副薬剤部長
- 急性期、慢性期の双方でチーム医療を体験。知識と経験の幅を広げ、信頼される薬剤師へ。 3年目
- 専門性とジェネラリストを兼ね備え、 患者さんによりメリットを提供できる薬剤師へ。 がん薬物療法認定薬剤師
- 回復期リハビリテーション病棟の薬剤業務の確立や医療安全を高める教育体制の整備に貢献したい。 10年目
- どんな状況でも対応できるオールマイティな薬剤師を目指して。 病棟薬剤師 HIV外来担当
- 日本人の抗HIV薬の体内動態などのデータに基づくテーラーメイド医療の確立を目指して。 日本病院薬剤師会 HIV感染症専門薬剤師
精神疾患を抱える患者さんの安全かつ合理的な薬物療法を支え 予後の改善につなげたい。
精神科専門病院で培ったスキルを 急性期の臨床で活かす
薬剤師としてのキャリアをスタートさせた初期、24歳から6年間にわたって精神科専門病院で勤務。患者さん一人ひとりの病態や背景が非常に多様で、薬物療法においても高い専門性と慎重な対応が求められる環境で、向精神薬の基本から応用まで幅広い知識と実践経験を積むことができました。 その後は現在に至るまで急性期病院に勤務しているのですが、精神科専門病院で身に付けたスキルは大きな財産となっています。精神科医が減少傾向にある中で、精神科医が常勤していない急性期病院も増えていますが、その一方で精神疾患を抱える患者さんは少なくありません。こうした状況下で、患者さんにとっての安全かつ合理的な薬物治療を支えるためには、向精神薬の適正使用など精神科領域における薬学的知見は非常に重要で、他職種からも大いに求められていると感じます。様々な診療科の病棟を担当してジェネラリストとしての学びを広げつつ、精神科領域の情報も積極的に収集し、論文を執筆するなど専門性を磨くことにも力を入れてきました。精神科薬物療法認定薬剤師の認定制度ができたことを知り、これまでの学びや経験をカタチにしたいといち早く取得、その後2013年に精神科専門薬剤師の資格を取得しました。
急性期、慢性期の双方でチーム医療を体験。知識と経験の幅を広げ、信頼される薬剤師へ。
転職することなく急性期と慢性期の 両方の病院を経験できることが魅力
チーム医療に魅力を感じていたことに加え、感染症や抗菌薬の領域で専門性を発揮したいという思いもあり、病院を志望。国立病院機構なら急性期と慢性期の両方の病院を経験でき、また異動や人事交流を通じて様々な経験やスキルを持つ先輩方と一緒に働くことで、薬剤師として成長できると、入職を決めました。 最初に配属されたのは神経難病や筋ジストロフィー、重症心身障害の患者様が多い慢性期病院で、調剤業務に加え病棟業務を担当することに。当初は、発声が難しい患者様とどうコミュニケーションを取ればいいのか戸惑いもありました。しかし、こまめにアイコンタクトや相槌をして「伝えたいことを理解していますよ」という意を示したり、柔らかい印象になるような表情を意識したり、文字盤やジェスチャーを使ったり、いろいろ工夫をするうちに心を開き、些細なことも相談してくれる患者様が増えていきました。 何十年と入院している患者様が大多数ですが、合併症を伴うこともあるため、日々の体調の変化を細かに確認することはもちろん、患者様が一番大切にしていることを踏まえて、常に「よりよい生活を送れるように」という視点で、治療方針について他職種と共に様々な検討を重ねた経験は、私の大きな財産となっています。
専門性とジェネラリストを兼ね備え、 患者さんによりメリットを提供できる薬剤師へ。
がん医療の最先端施設で 研修することを選択
大学院で臨床技能コースを選択し、1年半にわたって医師のもとで研修を積みました。なかでも血液内科に長く携わってきたことから、国立病院機構 名古屋医療センターに入職してからまずは血液内科病棟に配属されました。一人の患者さんのために多職種が密に連携し、例えば造血幹細胞移植の場合など、カンファレンスで真剣に議論を交わすチーム医療の現場にあって、薬剤師として何ができるのかと改めて自身と向き合うようになりました。 医師は皆、専門分野を持ち、日々専門性に磨きをかけ、患者さんの診療に当たっています。その医師から資格取得を勧められたこともあり、がん薬物療法認定薬剤師の資格取得にチャレンジすることを決意しました。 同資格取得の条件の一つとして、〝認定された研修施設で実技研修を3ヶ月以上履修していること〟とありますが、当時、自施設は研修施設ではありませんでした。そこで、「せっかく他施設で研修するなら、最先端のがん医療を間近に見られるところに行こう」と、わざわざ千葉の国立がん研究センター東病院まで行くことに。これまでに扱ったことのない疾患を勉強する機会を得て、幅広い知識を身に付けることができたほか、患者さんへの熱い思いを胸に、薬剤師がチーム医療の一員としてしっかりと機能している姿を見て、大いに刺激を受けました。
回復期リハビリテーション病棟の薬剤業務の確立や医療安全を高める教育体制の整備に貢献したい。
「臨床」「研究」「教育」と 幅広い活躍フィールドが魅力
医療情報に基づいて患者さんの全体像を把握しやすいことに加え、経過を見守れる環境があることから、病院薬剤師を志望。中でも国立病院機構は「臨床」「研究」「教育」を三本柱としていて、病棟業務や臨床研究、後進指導など幅広い活躍フィールドがあることに惹かれ、入職しました。 1年目はまずは調剤業務の基本を学んだ後に、神経内科と整形外科の病棟業務を担当。実際に臨床現場に立つと、自分の知識不足を痛感し、より勉強にも身が入るようになりました。疑問に思うことがあれば、すぐに調べたり、医師に聞いたり、また患者さんから教えてもらうことも多く、改めて薬剤師は一生勉強し、成長していける仕事だと実感しました。 その後、外科を含む一般病棟や呼吸器内科病棟も経験し、6年目からは地域包括ケア病棟を、7年目からは回復期リハビリテーション病棟を担当するなど、ほぼ一通りの病棟業務を経験させてもらいました。特に回復期リハビリテーション病棟では、医師や看護師のほか、管理栄養士やソーシャルワーカー、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、多くの専門職種が関わり医療の提供を行っています。その中で、薬剤師として患者さん本人の思いや意向、疾患、使用している薬、退院後の生活環境などをふまえた上で、薬の種類や投与量、剤形、用法などの見直しを行い、よりよい薬物療法が提供できるよう努めています。
どんな状況でも対応できるオールマイティな薬剤師を目指して。
より多くの先生と交流し 幅広く学べる環境が魅力
若いうちにいろいろと勉強し、またチーム医療にも参加したいとの思いで、国立病院機構に入職。異動によって、より多くの先生と交流でき、幅広く学べる機会があることもポイントになりました。 1年目はまず一人で当直ができるように、調剤や注射室の業務、抗がん剤の無菌調製など、徹底して基本を学びました。半年が経つ頃には、調剤業務の傍ら、先輩薬剤師の指導のもとで呼吸器科の病棟業務も開始。肺がんの患者さんなど、痛みを訴えられる方も多く、「自分に何ができるだろう」と思い悩む日々でした。同時に「もっと勉強して、少しでも患者さんの力になりたい」と学習意欲も増しました。
日本人の抗HIV薬の体内動態などのデータに基づくテーラーメイド医療の確立を目指して。
データを整理・解析し 患者さんにフィードバック
私が病棟および外来のHIV感染症患者さんを担当するようになったのは、2004年に名古屋医療センターに入職した頃から。それまで特に関心があったというわけではなく、これを機に本格的に勉強を開始しました。 10年ほど前から、様々な領域での専門薬剤師制度が本格化し、また薬学部が6年制に移行するなど、より薬剤師の専門性を重視する傾向が強まる中、私も「臨床薬剤師であると同時に研究者でありたい」との思いから、HIV感染症認定薬剤師および同専門薬剤師の資格取得にチャレンジすることに。日常業務を改めて見直し、整理することで、これまでの自分を振り返る良い機会になりました。また申請には、学術論文の提出も求められることから、データを収集、解析し、作成していく過程で、より論旨も明確になり、以後の服薬指導にも活かすことができました。 これまで患者さんに学ぶことも多く、一緒に勉強し成長してきたという思いがあるので、資格取得を一つの通過点として、これからも患者さんにより多くの情報を提供していくことで、恩返しができればと考えています。

