学校法人藤田学園 藤田医科大学病院

業種 病院
2022年取材記事
患者さんを中心としたチーム医療により貢献できるよう、幅広い知識と専門性との両立を目指しさらなる研鑽へ。
小児薬物療法認定薬剤師
薬学部 2015 年卒業
私のCAREER
病棟チームリーダー

小児薬物療法認定薬剤師の資格を取得したことで責任感や使命感も増し、さらなる知識習得や後進指導に今まで以上に熱心に取り組んでいます。また病棟チームリーダーとして、チーム力向上にも力を入れています。

8年のCAREER

  • 1年目

    薬剤部内の調剤業務に従事

    薬剤部内の内服・注射調剤や抗がん剤、中心静脈栄養輸液の混注など、さまざまな調剤業務に従事。入退院センターで持参薬や手術前の中止薬の確認などにも携わり、薬剤師としての基盤を築く

  • 2年目

    こども病棟で
    薬剤管理指導業務を開始

    調剤業務を継続しつつ、2年目の秋頃から、こども病棟での薬剤管理指導業務を開始。医師や看護師、栄養管理士など多職種連携を進める中で、コミュニケーション力やエビデンスに基づいたより説得力のある伝え方の向上に努める

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    ここがPOINT1

    患者さんのご家族から「薬をはじめ、いろいろな相談に乗ってくれてありがとう」と言ってもらったり、患児から「お薬の先生」と呼んでもらったり、お手紙をもらったりすると、チーム医療の一員としての認められている実感し、大きなやりがいを感じます。

  • 6年目

    小児薬物療法認定薬剤師の
    資格を取得

    こども病棟に配属され、積み重ねてきた知識や経験を形にしたいと小児薬物療法認定薬剤師の資格を取得

  • 8年目

    薬剤管理指導室専任
    病棟チームリーダー

    薬剤管理指導室専任として病棟に常駐するとともに、こども病棟・新生児科・産婦人科・内分泌内科・血液内科の病棟チームリーダーとして、日々のミーティングなどを通して、チーム力の向上に注力

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    ここがPOINT2

    医師の処方意図はもちろん、調剤し与薬した先には常に患者さん・ご家族がいることを常に意識し、その過程も考えるようにしています。後輩にも、そうした姿勢を持ってほしいと、処方意図や過程にも目を向けるような声掛けを意識的に行っています。

多様な疾患や薬剤に触れ
薬剤師として幅広い土台を作りたい

 臨床現場で薬剤師としての職能を活かしたいという思いがあり、病院薬剤師を志望。さらに若手のうちに幅広い領域に触れ、その上で専門性の追求をしていきたいと大学の教授に相談したところ、大学病院なら幅広い疾患や薬剤に触れることができると勧められました。高度先進医療を担う大学病院で自分がやっていけるのか、不安もありましたが、藤田医科大学病院の新人への手厚いサポート制度を知り、チャレンジしてみようと入職を決めました。
 入職後は約1年半にわたって、まず徹底して調剤を学ぶことからスタート。内服・注射調剤から抗がん剤や中心静脈栄養輸液の混注まで、一通りの業務を経験。さらに入退院センターで持参薬や手術前の中止薬の確認などにも携わり、知識と経験を深めていきました。
 最初は実習時とは全く違う業務の幅広さや責任の重さに、戸惑うこともありました。そんな時に頼りになったのが、マンツーマンで指導してくれる先輩薬剤師の存在。当院には“親子制度”という名称で、新人に対して4年目以降の先輩が指導役として付き、親身になって相談にのってくれます。新人同士の初めての年末夜勤の時も、「何か困ったことや、不安に思うことがあったら、すぐに連絡してね」と言ってもらったことを支えに乗り切ることができました。

病棟の先輩薬剤師に加え
“親子制度”も大きな支えに

 2年目の秋以降からは、調剤業務に加えて、こども病棟での薬剤管理指導業務も開始。実際に病棟で、医師や看護師、栄養管理士などが働く様子を見て、チーム医療の一員として薬剤師に求められる役割について考え、行動するように意識も変化しました。特に医師が何を考えて処方をしているのか、看護師が何を課題と考えているのかなど、カルテだけでなく、現場の声に耳を傾け、相手が求めている情報の提供の仕方や、業務の流れに沿った管理の方法にも留意するようにしました。
 一口に小児といっても新生児から15歳までと幅広く、疾患や病状のほか、成人と比較して内服可能な剤形や投与量なども異なります。また、小児に適応がないなどの、いわゆる適応外の薬の使い方をすることも少なくなく、それが適正か、エビデンスがあるのかを、しっかりと確認することは極めて重要です。さまざまな文献を調べたり、時にはDI室や化学療法室に相談したりしながら、投与の目的に合った用法・用量を導き出すようにしていました。経験豊富で小児薬物療法認定薬剤師の資格を持つ先輩はもちろん、“親子制度”で指導いただいていた先輩からも、いろいろとアドバイスをもらえたことは、大きな支えになりました。小児は正解が一つではなく難しさもありますが、それだけに薬剤師の存在価値が際立ち、やりがいもあります。
 また、4年目から今度は私が〝親〟として新人を指導する立場となり、これまで3人の〝親〟を務めてきました。担当した〝子ども〟たちは、それぞれ考え方も得意分野や成長スピードも違い、こちらが刺激を受けることも多かったです。育成に携わる中で視野も広がり、指導力の向上にもつながったと感じています。

小児薬物療法認定薬剤師の資格を
取得したことでより自己研鑽に注力

 そもそも私がこども病棟に配属されたのは、学生時代の実習などでは、子どもと触れ合う機会が少なく、「子どもに関わる仕事をしたい」と希望し、それが叶った形でした。こども病棟で経験を積むにつれ、これまで頑張ってきたことを形にして残したいという思いが高まり、小児薬物療法認定薬剤師の資格取得にもチャレンジ。資格取得という目標を持つことで、勉強へのモチベーションも高まり、断片的だった知識を系統立てて整理するとともに、新たな知識や考え方について学ぶよい機会になりました。
 資格取得後は、後輩から質問された時も、目的や背景なども含め、より道筋を立てて教えることができるようになりました。そして何より、資格保有者として恥じない言動をしなければという自負や使命感が生まれ、今まで以上に自己研鑽に励むようになりました。他職種に対しても積極的に働きかけ、医師と治療方針を共有したり、看護師と副作用の兆候などについて細かに連絡を取り合ったりすることを今まで以上に強く意識するようになり、それによってスムーズな管理指導につながり、やりがいを実感できる場面も増えています。

病棟チームリーダーとして
チーム力の向上にも貢献

 8年目からはこども病棟に加え、新生児科、産婦人科、内分泌内科、血液内科を含めた病棟チームのリーダーに着任。入院患者さんの薬剤指導に携わりながら、後進の育成など、チーム力の向上にも力を入れています。特に若手には、担当する患者さんや病棟にとどまらない幅広い知識やノウハウを培い、どの病棟でも通用するような人材に育ってほしいとの思いから、日々のミーティングでは病棟の枠を超えて課題の共有をするようにしています。もちろん私自身もまだ成長途上なので、常に情報アンテナを高くして、新薬をはじめとした最新情報の取得に努め、チーム医療の一員として他職種から今まで以上に頼られる存在になっていきたいと思っています。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

薬剤師として研鑽し続け、後輩からも他職種からも頼られる存在になっていきたいと考えています。長く働き、仕事で成果を上げ続けていくためには、プライベートの充実も欠かせないので、友人や仲間を大切にしていきたいですね。

これが成功の分岐点

夜勤を通じて成長を実感し、 学びへのモチベーションがさらに向上

初めて新人同士で夜勤を担当した時のことは、今でもよく覚えています。始まる前は不安だったのですが、親子制度の指導薬剤師の励ましや仲間同士の協力で、乗り切ることができ、ほっとすると同時に、これまで学んできたことが自分の力になっていると確信。より学びへの意欲が高まりました。

私なりの仕事の心掛け

薬の最新知識に加え 投与されるまでの過程を意識して行動

薬の専門家として、常に薬の知識を最新状態に保てるよう研鑽を積むことに加え、患者さんに投与されるまでの過程を見据え、医師との治療方針の共有や、看護師への情報提供などについても意識して行うようにしています。また、質問をする際も「自分はこのように考えるが、それで問題はないか」というように、まずは自分の考えを持つくせをつけるようにしています。

学生の皆さんへメッセージ

職場を実際に訪れ、 理念やスタッフの声を聞くことが大切

働きはじめて痛感するのは、相談しやすい環境があることが、成長には欠かせないということです。直接の上司だけでなく、いろいろな先輩の意見を聞くことができ、幅広い知見を養うことができたのは、こうした相談しやすい環境があったからこそだと感じています。安心して働ける環境か、新人を育てることに熱心に取り組んでいるかなど、いろいろな職場を見学し、理念だけでなく実際に働くスタッフの声を聞いてみるとよいと思います。

オフタイム

愛犬と家族と過ごす休日は、私にとって癒しの時間です。
また、同期だけでなく、先輩や後輩と一緒に遊んだり、食事をしたりすることも。同じ趣味や悩みを共有し、何でも話せる仲間がいるから、また明日から頑張ろうと、活力が湧いてきます。

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