学校法人藤田学園 藤田医科大学病院

業種 病院
2021年取材記事
幅広い知識を基盤としながら心のケアもできる薬剤師へ。
薬剤部
薬学部 2013 年卒業
私のCAREER
化学療法室担当 主任

化学療法室の専任として、抗がん剤調製・監査、レジメン監査、レジメン管理業務に取り組むほか、薬剤師外来も担当し、支持療法の提案や外用剤の使用方法の説明などを行っています。 また患者さんと医療スタッフや患者さん同士の交流を促進する取り組みにも力を入れています。

9年のCAREER

  • 1年目

    入職
    セントラル業務

    調剤、注射、製剤、化学療法のセントラル業務をローテーションし、基本から徹底して学び、薬剤師としての土台を築く

  • 2年目

    病棟業務を担当

    2年目から5年目にかけて、耳鼻咽喉科、消化器外科、乳腺・産婦人科での病棟業務を担当。がん患者と接する中で、抗がん剤についてより深く学びたいと考えるようになる

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    ここがPOINT1

    まずは患者さんの思いを受け止め、できる限り不安材料を減らしてから、例えば不安の強い人にはゆっくり丁寧に、せっかちな人には重要なことをピンポイントで、というように患者さん一人ひとりに合わせた服薬指導を心掛けました。

  • 3年目

    薬剤師外来を担当
    外来がん治療認定薬剤師に

    病棟業務と並行して、薬剤師外来を担当するように。病棟や薬剤師外来で服薬指導はもちろん、丁寧な聞き取りを通じて、患者さん一人ひとりに合った処方提案に注力。4年目には、外来がん治療認定薬剤師の資格を取得

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    ここがPOINT2

    外来がん治療認定薬剤師の試験勉強のために、土日は図書館にこもって勉強するなど、人生で一番勉強しました。症例を書く時には、患者さんのことを思いながら、丁寧に文章をつづり、よい振り返りの機会になったと思います。

  • 6年目

    化学療法室 専任
    がん専門薬剤師に

    化学療法室の専任となり、抗がん剤調製・監査、レジメン監査、レジメン管理などを主に担当。7年目には多職種と協力して「Fujita Salon~藤田医科大学がんサロン~」を立ち上げ、患者さんやご家族を対象にしたイベントやレクチャーなどを実施

臨床研究を継続するのに
十分な環境が魅力

 薬学部5年生の時に、より実践的な知識・技能・態度を身に付けることを目的に大学が設置している「アドバンスト研修」に参加。大学と教育協定を締結している藤田医科大学病院で8ケ月にわたって、指導薬剤師や医師についてカンファレンスや回診にも同行し、臨床研究に取り組みました。多職種が連携する臨床現場を経験したことで、薬だけではなく、病態など幅広い知識を養い、今後も臨床研究に携わっていきたいという思いが強まりました。藤田医科大学病院は研究を継続するのに十分な環境が整っていることに加え、薬剤部員が皆、忙しい時にも笑顔を絶やさず、連携して業務を遂行している姿に惹かれ、入職を決めました。
 1年目は調剤、注射、製剤、化学療法のセントラル業務をローテーションで回り、薬剤師としての基盤を確固としたものにしていきました。薬についてだけでなく、先輩薬剤師が講師となって病態について学ぶ勉強会や、定期テストもあり、自分の理解度を確認しながら、幅広い知識を学ぶことができました。
 先輩方の知識の豊富さに圧倒され、自信を失うことも多々ありましたが、ちょうど1年目が終わる頃に職場を離れる先輩から「あなたはもっと羽ばたける人だから、これからも頑張って」というあたたかいお手紙をいただき、「私の頑張る姿を見て、応援してくれている人がいる」ととても励まされました。

がん患者さんと接し
抗がん剤への関心が高まる

 2年目からは病棟業務に携わるようになり、耳鼻咽喉科や消化器外科、乳腺・産婦人科などの病棟を担当しました。1年目にセントラル業務を徹底して学んだため、医師や看護師など他職種からの質問にも比較的スムーズに対応することができたと思います。当病院では、先輩薬剤師がしっかりと道をつけてくれていたこともあり、医師も看護師も医療スタッフは皆、私たち薬剤師を大切に扱ってくれたのもありがたかったですね。
 同時に、そうした他職種からの期待にしっかりと応えていかなければと、より自己研鑽に励むようにもなりました。特にがん患者さんと接する中で、抗がん剤への関心も高まりました。医療、医薬品が日々進化する中で、常に勉強することが求められ、また追求すればするほど、新たな疑問も湧き、学びに終わりはないと改めて実感しました。
 服薬指導でも、最初はパンフレットにあるようなマニュアル通りの説明しかできていなかったのですが、患者さんの理解度や人柄などに合わせて、よりわかりやすい説明を心掛けるようになりました。また、いきなり薬の話から入るのではなく、まずは患者さんの思いや悩みに耳を傾け、少しでも不安材料を減らし、いわば「聞く体制」をつくることから始めるなど、患者さんの立場に立って服薬指導をするようにしていました。

これまでの取り組みを形にしたいと
資格取得にもチャレンジ

 3年目からは病棟業務の傍ら、薬剤師外来も担当。主に内服抗がん剤で治療している患者さんを対象に、医師の診察前に面談を行い、支持療法の提案や外用剤の使用方法の説明などを行うようになりました。医師の診察時間内では伝えきれない患者さんのお話を聞くことで、不安が和らぎ笑顔になるのを見ると、大きなやりがいを感じます。
 また、これまで取り組んできたことを形にしたいと、4年目に外来がん治療認定薬剤師の資格取得にもチャレンジ。症例提出に向けては、先輩からアドバイスをもらい、新たな気付きを得たり、筆記試験対策として多様な診療科にまたがる知識を幅広く習得したりできたのは、勉強に多大な時間を割いた甲斐あって大きな収穫でした。
 さらに6年目には、日本医療薬学会認定がん専門薬剤師の資格も取得しました。取得に必須となる50症例を提出するために、担当したことのない病棟に行くなどして、より広範な知識と経験を積んだことも、その後の財産になっています。

薬に関することはもちろん
患者さんの心のケアにも尽力

 現在は化学療法室の専任として、抗がん剤調製・監査、レジメン監査、レジメン管理業務を主に行っています。また多職種と協力して「Fujita Salon~藤田医科大学病院がんサロン~」を立ち上げ、患者さんやご家族を対象にしたイベントやレクチャーを開催。患者さん同士やさまざまな医療スタッフと話をする機会を提供することで、患者さんやご家族の心のケアに重点を置くようにしています。また7年目を迎えて、中核メンバーとして後進指導にも注力。時に厳しく指導することもありますが、普段から話しかけやすい雰囲気づくりを心掛け、若手の意見を積極的に採用するなど、活発な議論ができる職場環境づくりにも取り組んでいます。
 今後も患者さんの思いに寄り添い、薬に関することだけでなく、心のケアもできる薬剤師になっていきたいと思います。同時に臨床研究にも力を入れ、学会発表や論文化などを通じて、より広く臨床現場に貢献していくことを目指し、さらなる自己研鑽に励んでいきます。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

●日々の臨床の中で生じたクリニカル・クエスチョンを掘り下げて研究し、学会発表、論文化することで研究結果を発信し、患者さんのよりよい医療につなげていきたいと考えています。
●今後は抗がん剤以外の分野についても知識を深め、後輩からさまざまな面で目標とされる先輩になりたいと思います。

これが成功の分岐点

先輩の一言に後押しされ 積極的な言動へシフト

入職してまだ間もない頃に、「遠慮せず、思うように仕事をしたらいい」と先輩薬剤師から声をかけてもらいました。自分に自信が持てず、ついつい消極的になりがちだった私でしたが、この一言で「こうした方がよいのではないか」と積極的に意見を言ったり、行動に移したりするように変わりました。「今の判断はよかったよ」などと言ってもらえることも増え、成長につながりました。

私なりの仕事の心掛け

後輩に積極的に話しかけ 風通しのよい職場に

7年目ともなると若手の薬剤師からは話しかけづらい存在になってくると思うので、休憩時間や業務後の時間に仕事以外の話をするなど、話しかけやすい雰囲気づくりを心掛けています。また、後輩の意見には積極的に耳を傾け、よりよい職場づくりに役立てていきたいと考えています。

学生の皆さんへメッセージ

将来、何がやりたいかを 考えて仕事選びを

まずは、自分が将来、何がやりたいかを考えることが大切です。「やりたいことをやる」という気持ちがあれば、たとえ仕事でうまくいかないことがあったとしても、モチベーションを維持しながら乗り切っていけると思います。まだやりたいことが決まっていない場合は、いろいろな仕事を見て聞いて、自分の長所・短所をわかった上で、やりたいことを探すとよいと思います。

オフタイム

職場の先輩や後輩と飲み会をしたり、学会で訪れた先でおいしいものを食べたり、観光地を訪れたりして、リフレッシュしています。

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