愛知県庁

業種 官公庁
2020年取材記事
多様な分野を経験して見識を深め、薬学的視点から県民の健康に寄与したい。
感染症対策局 感染症対策課
薬学部卒業 2006 年卒業
私のCAREER
主査(本庁 感染症対策課)

薬事、衛生、研究と多様な分野を経験し、広く社会と関わりながら見識を高められるのが愛知県庁の魅力。今後も様々な職場を経験し、薬剤師ならではの薬学的視点を活かして県民の健康増進に寄与していきたいと考えています。

15年のCAREER

  • 1年目

    愛知県庁に入庁
    衛生研究所に配属

    愛知県職員として衛生研究所生物学部ウイルス研究室に配属。県内保健所から届けられる検体の検査を行うほか、インフルエンザウイルスに関する検査研究や名古屋医療センターと共同でHIVウイルスに関する研究などを行う

  • 4年目

    本庁 健康対策課
    感染症グループに異動

    県内の感染症対策を統括する部署に異動。新型インフルエンザの発生に伴い、保健所と協力しながら予防対策や感染者が出た場合の管理体制など、仕組みづくりを担当。また予防接種法の改正に伴い、小児科医などと協働しながら、新たなワクチン接種の仕組みづくりにも従事

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    ここがPOINT1

    新型インフルエンザの発生によって、連日のように対応に追われ、後にも先にもないほど忙しい業務を経験しました。優秀な上司の方々に鍛えられ、仕事の優先順位をつけながら、どんなに多忙であっても「休める時は休む」とメリハリを付けた仕事の進め方を実践。忙しさのピークを乗り越え、自信も付きました。

  • 7年目

    保健所で
    薬事監視員・衛生監視員として勤務

    半田保健所生活環境安全課指導グループに異動。薬事監視員・衛生監視員として、関連法規に則り、薬局のほか、理美容、公衆浴場などの調査・査察などを行い、違反があった場合には改善指導を行う

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    ここがPOINT2

    地域に根差した活動を行う保健所に配属され、業務を通じて現場のリアルな実情を体感。この現場での体験があったからこそ、その後本庁医薬安全課に異動してからも、保健所がより管理指導しやすい環境づくりに注力するなど、業務の質や効率を向上させることができました。

  • 9年目

    本庁 医薬安全課・生活衛生課
    主任に

    県内の保健所の薬事業務の統括・管理などを行う医薬安全課に異動。保健所がより指導しやすいシステム導入などの環境整備を進めるとともに、インターネットでの医薬品販売などの薬事法改正への対応を行う。11年目には主任となり、責任感を持って幅広い業務に取り組む中、災害薬事に関する対策として災害薬事コーディネーターの設置にも尽力

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    ここがPOINT3

    県内の保健所の薬事業務の統括・管理などを行う医薬安全課薬事グループに異動。11年目には主任となり、災害薬事コーディネーターの設置にも尽力。12年からは生活衛生課検査管理グループに異動。県内保健所の試験検査課の業務管理のほか、民間の検査機関の登録管理を行う

  • 15年目

    本庁 感染症対策課
    感染症グループ 主査

    感染症対策課感染症グループの主査として、新型コロナウイルス対策を主導。病床の確保や調整、保健所からの情報を集計し、データ分析したり、報道発表のデータ作成をしたり、さらには愛知県として講じる対策の方向決定に必要となる情報提供などを行う

広く社会と関わり
多様な活躍がしたい

 親が薬剤師として愛知県庁の健康福祉部に勤務しており、とてもやりがいを持って勤務していたことから、就職先の一つとして以前から選択肢にありました。病院や薬局での実習も経験した上で、「薬学的な知識を活かしながら、より広く社会と関わり、多様な活躍がしたい」と考え、入庁を決めました。
 入庁後はまず県職員として同期100名ほどと合同での研修からスタート。社会人としての基本のほか、県税事務所での県の仕事を体験する研修もあり、職員として知っておくべきことを広く学ぶことができました。入庁時だけでなく、その後も3年間にわたって定期的に研修が行われ、幅広い知識を吸収したり、同期との絆を深めたり、大いに役立ちました。
 最初の配属先は、県内保健所から届けられる検体の検査やインフルエンザウイルスなどの研究を行う衛生研究所生物学部ウイルス研究室でした。検査に関わる手技などは、大学時代に専攻していた薬品作用学で培ったスキルが活かせる一方、知識不足を実感する局面も。特に名古屋医療センターとHIVウイルスの共同研究も行う中で、厚生労働省や国立感染症研究所が主催する研修会に参加するなど、自己研鑽に努めました。また、HIV検査に関する啓発活動を県内各地で展開するなど、県職員ならではの多様な活動に取り組み、大きなやりがいを感じることができました。

非常事態と言える
過酷な状況を乗り切る

 4年目には、愛知県の感染症対策を統括する本庁の健康対策課感染症グループに異動となりました。その直後に新型インフルエンザが発生し、連日その対応に追われることに。衛生研究所での経験を活かして、検査に関わる必要事項や日程などを関係機関に周知したり、感染予防の対策を講じたり、感染者が発生した場合に備えた体制を構築したり…。多様な業務に対して、優先順位を付けて取り組み、非常事態とも言える状況を乗り切れたことで、大きな自信も付きました。
 さらに予防接種法の改正に伴い、小児科医など現場の人を交えた検討会で意見交換し、新たなワクチン接種の仕組みを構築するなど、新たな制度をつくるプロセスについても学ぶことができました。

幅広い業務を通じて
県民生活の様々な面に貢献

 7年目には半田保健所の生活環境安全課環境指導・広域機動グループに異動し、薬事監視員・環境衛生監視員として、薬局や理美容所・公衆浴場などを関連法規に則り調査・査察を行い、違反がある場合は改善を指導する業務を担当。地域に根差した現場業務を体験する中で、現場が抱える課題などリアルな実情について理解を深めることができました。
 その後、薬局などの監視指導を中心となって行う医薬安全課薬事グループに異動した際には、現場である保健所の状況に配慮しながら業務を進め、保健所が薬局などをより指導・管理しやすいシステムを導入するなど、現場経験を活かし、業務の質や効率の向上に努めました。
 ほかにも、インターネットでの医薬品販売がスタートするなど薬事法の改正に伴う対策を講じたほか、愛知県として新たに災害薬事コーディネーターを設置し、災害時の医薬品に関わる制度設計や備蓄医薬品の見直しなどを実施しました。
 12年目からは生活衛生課検査管理グループで主任として勤務。民間の検査機関の登録管理や保健所の試験検査課や衛生研究所の業務管理などを行う部署で、2019年に開設した衛生研究所の建て替え事業も担当しました。14年目には主査となり、より責任感を持って幅広い業務に取り組むようになりました。

県民の健康を守るという誇りを胸に
新型コロナウイルスに対峙

 15年目となる今年からは感染症対策課感染症グループに異動。以前、新型インフルエンザが発生した際の感染症グループでの経験をかわれたもので、今般の新型コロナウイルスへの様々な対応を行っています。なかでも私が担当している業務の一つは、最前線基地となる保健所への指示伝達や指導、および保健所からの情報のとりまとめや、データ集計・分析です。これらのデータは、県としての対策の方向性を決める材料になったり、報道発表で使用されたりする非常に重要なものです。もう一つは、主には患者の病床の確保や調整で、こちらも緊急の課題であり、ひと時も気を抜けません。未曾有の事態に直面し、試行錯誤を重ねながら進めているところですが、感染症は今回の新型コロナウイルスに限らず、必ずやまた発生するものです。しっかりと知識を蓄え、今般の経験を私の力に変えていけるよう、全力で取り組んでいきたいと考えています。
 部署を異動し、新たな業務を始めるのは大変ですが、あとから振り返ってみるとどの仕事にも関連性や共通点があり、経験として無駄なものは一つもないと感じています。今後さらに多くの経験を積んで、薬剤師ならではの薬学的視点を活かし、様々な県行政に携わっていきたいと思います。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

まずは現在の感染症グループでしっかりと成果を出し、感染症に関するエキスパートとして頼られる存在へとなっていきたいと考えています。また、医薬品等のGMP調査の経験を重ね、ハイレベルな調査のできるインスペクターを目指すなど、薬学の専門性を最大限に発揮するための新たなチャレンジもしていきたいと思います。

これが成功の分岐点

非常時とも言える状況で 効率的な仕事の進め方を学ぶ

健康対策課感染症グループに異動して研究職と行政職の業務内容の違いに慣れる前に、新型インフルエンザが発生し、非常時といえる過酷な状況に追い込まれました。優秀な上司の方々に指導いただきながら、優先順位を付け、効率的に仕事を進めることを心掛けました。何とか乗り切ることができたことで大きな自信が付き、またチームで協力することの重要性も学びました。

私なりの仕事の心掛け

よりよい結果を求めて 一人で悩まず早めに相談

新しいことを始めたり、これまでの事業を大きく変えたりする時は、大きなパワーが必要になります。それでも県民にとってメリットがあると思えることには前向きな姿勢で改革を行うようにしています。ただ一人でできることには限界もあります。高度な判断が求められ悩んだり迷ったりする時は、早めに同僚や上司に相談することが大切です。そうすることで円滑に進み、結果もよりよいものになります。

学生の皆さんへメッセージ

学生時代の多様な経験が 心身を鍛えてくれるはず!

学生時代は時間があるようで、短いもの。後悔のないように、サークル活動や学生会、アルバイト、海外旅行など様々な経験を積むようにしてください。その時の仲間とのつながりや苦労したことが心身を強くし、社会に出てからもきっと活きてくると思います。

オフタイム

仕事は家庭に持ち帰らず、休日は全力で遊ぶ主義です。家族そろって春はBBQ、夏は川遊び、秋はキャンプ、冬はスキーと、季節ごとの遊びを楽しんでいます。

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