管理薬剤師、地区の教育担当を経て、本部で薬剤師教育に携わったのを機に、自らの専門性をより高めたいと各種資格を取得。その専門性を患者さんに還元したいと、志願して店舗に復帰。患者さんのバックグラウンドを踏まえたトータルケアを実践するとともに、地域連携や後進の育成にも注力しています。


専門性を活かした取り組みを全社・全国に広げ、後進に「こんなキャリアもあるのか」と思ってもらえるようなロールモデルを示したいと考えています。地域包括ケアなどを通じて患者さんに何ができるかを常に考え、群れの中で最初に海へ飛び込む“ファーストペンギン”のように、前例のない領域を切り拓き、薬局薬剤師の新たな可能性を社会に提示することが目標です。
現場への復帰で開いた
次のキャリアへの扉
私の転機は志願して現場に復帰したことです。復帰先はがん診療拠点病院の近隣にあり、多くのがん患者さんと出会ったことから、がん領域も学習。エキスパートコースのがんチームや日本臨床腫瘍薬学会に所属し、がん診療病院連携研修に参加して、外来がん治療専門薬剤師の資格も取得しました。学んだ知識を患者さんに還元し、地域との連携にも活かしています。
「顔の見える関係」が
地域に信頼を築く
地域包括ケアにおける多職種との協働では丁寧なコミュニケーションが重要であり、電話やメールだけでなく訪問などを通じて「顔の見える関係」の構築を心掛けています。信頼関係の維持には継続的な交流が必要で、期日を決めて定期的に勉強会を主催するなど仕組み化しています。
「自分の興味」を大切にして
「どこで、誰に、どう貢献したいか」を考えよう
まず「自分の興味」を大切にしてください。それを起点に義務的ではない自発的な学びを積み重ねていくことが、専門領域の持続的な深掘りへとつながります。また「どこで、誰に、どのように貢献したいのか」を自分の言葉で語れるようになると、日々の行動や選択の指針となり、キャリア形成の軸にもなるでしょう。
小学校のおやじの会会長として、世代や職業を超えた多様な人たちと協力し、だんじり祭りをはじめとする地域行事に取り組んでいます。子どもたちに「誇れる父」としての背中を見せることが何よりの喜びです。日々の仕事に全力で臨めるのは、家族の理解と支えがあってこそ。その感謝の思いも込めて、年に一度は家族旅行を計画し、日常を離れて自然や文化に触れながら、共に過ごすかけがえのない時間を大切にしています。