株式会社関西メディコ(サン薬局)

業種 保険(調剤)薬局
2024年取材記事
幅広い薬薬協働や地域連携を進め 地域で中心的な役割を果たせる薬剤師、薬局へ。
薬学部 2005 年卒業
私のCAREER
地域政策部長/奈良県肝炎医療地域リーダーコーディネーター/CDEなら(奈良糖尿病療養指導士)認定委員

重症低血糖フォロー、抗がん剤の副作用マネジメントなど、病院薬剤部と連携した薬薬協働に加え、行政と連携した疾患啓発活動も展開。外来がん治療専門薬剤師や心不全療養指導士などの資格取得のほか、複数店舗で後進の育成にも力を入れ、県内初の専門医療機関連携薬局を目指しています。

20年のCAREER

  • 1~6年目

    製薬会社に入社
    がん専門MR

    製薬会社のMRとして多様な医療機関への情報提供を担当。3年目からはがん専門MRとなり、主に奈良県内の病院を担当

  • 7年目

    関西メディコ入社
    薬剤師としての基礎を築く

    充実した研修システムのもとで、粉薬や水薬などを含む調剤や服薬指導のスキル、保険、診療報酬の知識などを改めて学び、薬剤師としての基礎を築く

  • 10年目

    入社3年目で管理薬剤師に
    肝炎医療コーディネーター資格等取得

    クリニック前の管理薬剤師となり、在宅業務も経験。その後、総合病院前の管理薬剤師になり、薬薬協働や病院薬剤部との共同研究にも取り組む。学会発表なども積極的に行い、CDEなら(奈良糖尿病療養指導士)、奈良県肝炎医療コーディネーターの資格も取得

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    ここがPOINT1

    国立長寿医療センターの褥瘡研修に参加したことをきっかけに、多様な人と積極的に交流し、得た知識を現場に還元していくことが重要だと意識が大きく変化。知識を広げるためにさまざまな学会やセミナーに参加し、情報収集のみならず、発信にも力を入れるようになりました。

  • 15年目

    営業推進部長
    心不全療養指導士

    循環器協会と連携した疾患啓発活動や、奈良県肝疾患相談センターと連携した肝炎啓発活動などを展開。奈良県肝炎医療地域リーダーコーディネーターとして、地域の医師会や行政主催の研修会での講演も実施。心不全療養指導士の資格も2021年に取得

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    ここがPOINT2

    奈良県肝炎医療地域リーダーコーディネーターとなったことで、活躍の場も広がると同時に、大きなことをやり遂げるには、多くの仲間が必要と痛感。後進の育成に今まで以上に力を注ぐとともに、複数店舗と関われる地域政策部長を志すようになりました。

  • 19年目~

    地域政策部長
    外来がん治療専門薬剤師

    地域政策部長として、総合病院前の複数店舗を兼務し、より広い範囲で地域連携に取り組む。日本循環器協会のホームページ作成や、日本心不全学会の教育セミナーでの講演など、県内にとどまらず、全国での活動機会も増える。外来がん治療専門薬剤師の資格も2024年に取得

県内に幅広いネットワークを形成し
地域密着の事業展開が魅力

 大学では生化学研究室でがん領域の研究をしていたことに加え、新たな抗がん剤が続々と上市されるタイミングだったこともあり、抗がん剤に広く深く関わりたいと製薬会社に入社。がん専門MRとして多くの病院を担当しました。充実した日々を過ごしていたのですが、結婚し、子どもを授かったのを機に、より地域に密着した企業に転職し、安定した生活基盤をつくりたいという思いが強まりました。関西メディコは奈良県内で圧倒的なシェアを誇り、「地域に根差す活動」を追求していることに加え、幅広い処方箋に触れ広く深いスキルを養えることや、社員がいきいきと働く環境づくりに力を入れていることにも魅力を感じ、入社を決めました。
 入社後は、調剤や服薬指導のスキル、保険や診療報酬の知識など、薬剤師として必要となるものを一から丁寧に学び直すことからスタート。中途入社であっても、新卒社員と同様に充実した研修システムが整えられていたことで、着実に学び進め、自身の技術や知識をブラッシュアップしていくことができました。

在宅業務や薬薬協働など
自ら進んで行動

 入社して3年目には管理薬剤師になり、店舗運営に関わる管理はもちろん、スタッフ全員が働きやすい環境づくりや若手の成長支援にも力を入れるようになりました。また当時はまだ社内でも取り組み事例の少なかった在宅業務にも関わりたいと、自ら地域包括センターを訪問し、患者さんを紹介してもらって業務をスタートさせました。そうした中で、褥瘡の薬物療法についても勉強したいと考え、褥瘡をテーマにした研修や学会にも参加。施設の枠を超え、精力的に活動される薬剤師の大先輩の姿に感銘を受け、「私も積極的に社内外の人と交流し、知見を深めていこう」と、価値観が大きく変わりました。学会発表もこの頃から、毎年継続して行うなど、情報を収集するだけでなく、発信することも心がけるようになりました。
 総合病院前の店舗の管理薬剤師になってからは、薬薬協働にも取り組みました。呼吸器科の医師を講師に迎えて吸入指導に関する勉強会を開催したり、重症低血糖予防や抗がん剤の副作用マネジメントに取り組んだりしたほか、病院薬剤部との共同研究なども実施しました。
 同時に自己研鑽にも今まで以上に励み、CDEなら(奈良糖尿病療養指導士)や奈良県肝炎医療コーディネーターの資格も取得。行政や県立医大と連携して、肝炎の啓発チラシを作成し、店舗で配布するなど、県全体でのキャンペーンにも参加しました。「知識を広げてもっと患者さんの役に立ちたい」という思いを尊重し、後押ししてくれる社風があったからこそ、私もいろいろなことにチャレンジし、人脈や活動の場を広げてこられたのだと思います。

行政や循環器協会と連携し
さまざまな啓発活動を展開

 営業推進部長となったのを機に、店舗で管理薬剤師をしながら、行政や循環器協会と連携した疾患啓発活動など、より幅広い活動に携わるようになりました。特に心疾患はがんに次いで日本における死因の2位と高いことから、何かできることはないかと考え、循環器協会のホームページ作成や「健康ハートの日」の共催イベントなど、心不全の症状・リスク・予防のための健康習慣を啓発する活動へとつながりました。さらに心不全療養指導士の資格も取得し、心不全再増悪予防を目的とした「心不全テレフォンフォローアップ」を開始するなど、心不全療養指導にも力を入れています。
 ほかにも、なら糖尿病デーの実行委員を務めたり、地域の医師会や行政主催の研修会で講演したりするなど、活動の場を広げていきました。行政と連携した取り組みをここまで深くできるのは、奈良県内で圧倒的なシェアを持ち、地域密着で取り組んできた当社だからこそだと思います。一方で、大きなことをやり遂げるには、多くの仲間の力が必要だということも痛感し、後進の育成にもより力を入れるようになりました。

県内初の専門医療機関連携薬局
となることを目指して

 昨年からは「心不全の地域連携を広めたい」という私の希望を叶えてもらう形で、地域政策部長として管理薬剤師業務を離れ、総合病院前の複数店舗の支援を行うことになりました。また、総合病院の外来化学療法室での研修に、会社のサポートで半年間行かせていただき、今年4月に念願の外来がん治療専門薬剤師の資格を取得することができました。病院薬剤部とはもちろん、他職種との連携を深め、より患者さんに貢献できる薬剤師、薬局を目指していきたいと考えています。
 さらに、循環器領域における認定薬剤師・専門薬剤師制度の創設に貢献したいという大きな夢の実現に向け、チャレンジしていきたいと思います。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

外来がん治療専門薬剤師の資格を取得し、県内初の専門医療機関連携薬局となることを目指しています。また将来的には、循環器領域での認定薬剤師・専門薬剤師の創設にも貢献していきたいと思います。

これが成功の分岐点

自ら行動することで知識はもちろん
視野や活躍の幅も広がる

心臓カテーテル治療において関西でトップクラスの症例数を誇る病院門前の店舗で、虚血性心疾患や心房細動などの循環器疾患の処方を多く応需する中で、心不全を起こされる患者さんを何度も見てきました。より質の高い心不全療養指導につなげたいと、心不全療養指導士の資格を取得したのですが、それによって全国で活躍されている先生方と一緒にお仕事をさせていただく機会にも恵まれました。自ら行動することで、知識だけでなく、視野や活躍の舞台も広げられると感じています。

私流自分の磨き方

情報感度を高くし
積極的に行動に移すこと

県の薬剤師会、病院薬剤師会のほか、領域別の学会などのホームページなどを定期的にチェックし、自分の興味あるテーマの勉強会や研修にはできるだけ参加するようにしていました。参加した先で、人脈も広がり、より多くの情報を得られるようになるので、まずは情報感度を高く、そして行動に移すことが大切だと考えています。

学生の皆さんへメッセージ

現地に足を運び人脈を広げる
一歩踏み出す勇気を持ってほしい

総合病院前に配属になってからは、知識を広めるために多くのセミナーや学会に参加しました。そこで広がった人脈は今の仕事に大きく活かされています。今は、気軽にWebでセミナーや学会に参加できるようになりましたが、ぜひ現地にも足を運び、勇気を持って人間関係を広げてください。踏み出す一歩が、きっと今日を変えてくれます!

オフタイム

休日は家族と一緒に過ごすのが、最高のリラックスタイム。
京都旅行中の陶芸体験でつくったビールジョッキでの晩酌が、
明日の活力につながっています。
友人と旧交を温めるのも大切な時間です。
写真は、今年開催された学会で、高校・大学と7年間一緒だった
同級生と久しぶりに会った時のもの。
ようやく現地開催が再開され、親交を深められるのはとても嬉しいです。

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