様々なキャリア~目標とする働き方~
日本赤十字社医療センター
様々な経験や日々の積み重ねを力に よりよい薬物療法を提案できる薬剤師を目指したい。
実力不足を痛感し 資格取得を目指すように
私が「医療人になる」と決意したのは中学生の時、母が入院していて疑問に思うことが多かったのが一番の理由です。例えば、今なら中心静脈栄養とわかるのですが、当時は「食べずに、なぜ生きていられるの?」と不思議で、医療に関わる知識を身に付けて疑問を解消したいと思ったのです。就職にあたっても、まずは幅広い知識を学びたいと総合病院への入職を決めました。 初めての実臨床の場は、大学で学んだ知識だけでは対応できない場面も多く、ガイドラインや添付文書を都度確認し、慎重に裏付けを取るようにしていました。また、緩和ケア領域に興味を持っていたのですが、先輩から「そのためにはまず前段階であるがん治療について知ることが大切」とアドバイスを受け、化学療法室の業務も担当するようになりました。その頃に、化学療法の導入から看取りまで行うという経験もしたのですが、「十分な説明ができなかった」という悔いが残りました。その経験が「患者さんの力になるには、もっと勉強しなければ」と奮起するきっかけになり、外来がん治療認定薬剤師の資格取得につながりました。

患者さんが抱える問題に注目し 寄り添う介入ができる薬剤師へ。
複数病棟で経験を積み 幅広い対応力を磨く
病院だけでなく、調剤薬局やドラッグストアも視野に入れて就職活動をしていたのですが、実務実習で訪れた病院で、患者さんの利益を第一に多職種が連携する様子を見て、自分とは違う視点を持つ人たちと協働して、より包括的な支援につなげたいと考えるようになりました。症例数が多く、様々なことにチャレンジできることに加え、見学した際に感じた和気あいあいとした雰囲気にも魅力を感じ、日本赤十字社医療センターへの入職を決めました。 1年目は調剤や抗がん剤の調製などセントラル業務を主に行い、2年目からは病棟にも行くようになりました。整形外科、脳外科、循環器、泌尿器科など、複数の病棟を経験する中で、科ごとの特徴や薬剤師に求められる役割についても理解を深めていきました。なかでも循環器病棟では、週2回のカンファレンスにも参加し、入院中の状況にとどまらず、退院後の薬の管理なども考え、薬の提案をするようにしていました。疾患が同じでも、患者さんが抱えている問題はそれぞれ違うため、最適な選択は人によって異なります。常に傾聴の姿勢を忘れず、患者さんの情報を引き出すように努めています。患者さんから「丁寧に服薬指導をしてくれてありがとう」と言われた時には、「頑張ってよかった」とやりがいを感じました。
