大阪府

業種 官公庁
2024年取材記事
時流に合わせて治験環境を整備
府民の健康医療に貢献したい。
薬務課 薬務企画グループ 副主査
薬学部 2015 年卒業
私のCAREER
薬事監視員(薬業振興担当)

大阪府の薬事監視員として、医薬品等の製造・製造販売業等に対する監視指導業務、審査業務に従事。 現在は本庁の薬務企画グループにて、治験環境整備に取り組んでいます。

10年のCAREER

  • 1~4年目

    薬務課医薬品生産グループに配属
    監視指導業務に従事

    医薬品、医薬部外品、化粧品などの製造工場に立入検査をし、関係法令に基づき、適切に製造、品質管理が行われているかを調査、必要に応じて指導を行う

  • 5~8年目

    茨木保健所薬事課で
    薬事業務全般を担当

    茨木保健所薬事課へ異動。薬事に係る業態の審査・監視指導、薬物乱用防止など、薬事関連業務全般に従事。6年目、副主査に昇任。新型コロナウイルス対応業務の一翼を担う

  • 6年目

    特設のワクチン接種推進課を兼任
    ワクチン配送スキームを構築

    ワクチン接種推進課を兼務。3カ月間にわたり新型コロナウイルスワクチンの優先接種体制の整備業務に注力。ワクチンの品質を担保できる輸送方法を確保しつつ、必要な場所へ供給できるよう配送スキームを構築

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    ここがPOINT1

    新型コロナウイルス感染症の第3波、第4波が流行した時期、日々情報が更新される中で、常に最新の情報を収集しつつ、1日も早く現場で頑張ってくださっている医療従事者等への優先接種をスタートできるよう体制整備に取り組む。張り詰めた日々でしたが、府民を縁の下で支えていることに充実感がありました。

  • 9年目

    薬務課薬務企画グループで
    治験環境整備促進事業に従事

    薬務課薬務企画グループへ異動。関係団体や部内外との連絡・調整業務を行う。薬業振興業務では治験環境整備促進事業を主に担当。府内医療機関の連携促進等を通じて、治験参加を望む府民がアクセスしやすい環境を目指す

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    ここがPOINT2

    府民が治験に参加してもらいやすくなるよう取り組みを検討中ですが、試行錯誤の繰り返しです。治験を通じて府民が最新の医療を受けられる機会を確保でき、新薬が誕生することで府民の健康医療に貢献できるかもしれないと思うとやりがいを感じます。

監視指導は、多くの国民を守る
最後の砦

 薬学の知識を、より大きな枠組みで生かしたいと、行政薬剤師の道を選びました。大阪は自身の出身地であり、製薬会社が集まる「くすりのまち」。製薬企業が製造販売した薬が全国に流通します。監視指導や許認可をメインとした行政薬剤師の業務を行うにあたって、広く府民の健康を守ることができると大阪府庁を志望しました。
 入庁後の配属先は本庁薬務課医薬品生産グループ(現:製造調査グループ)。医薬品製造工場などに立ち入り、関係法令に基づき適切に製造及び品質管理がなされ、製造されているかを調査します。調査員は一定の資質が必要となることから、入庁後すぐに調査員として査察に行くわけではなく、長時間にわたる研修を受け、基準を満たす必要があります。そのうえで経験豊富な先輩とともに査察に入り、必要があれば指導をし、適切に改善措置が実施されているかを確認します。健康被害にも繋がる可能性のある品質不良の医薬品を市場に流通させないための最後の砦として重要な役割を果たしていることに誇りを持って業務に従事しました。

コロナ禍、特任でワクチンの
配送スキームを構築

 5年目に茨木保健所薬事課へ異動。本庁での仕事は狭く、深く専門的だったのに比べ、保健所での仕事は広範囲。医薬品や医療機器の製造・販売の監視指導、麻薬毒物劇物の審査・指導等、薬物乱用防止啓発など、薬事業務全般、様々な業務に従事しました。副主査に昇任した6年目に、日本で初めての新型コロナウイルス感染者が確認され、当所でも新型コロナウイルス対応業務に追われました。また3カ月間、本庁のワクチン接種推進課を兼任。当時、限られたワクチンをいかにして、最前線で頑張ってくださっている医療従事者や重症化リスクの高い高齢者等に届けられるか、行政職等の職員と意見交換しながら検討し、ワクチンの配送の仕組みを整備しました。日々情報が更新される中、これまでにない仕組みを作っていくことはとても大変でしたが、非常によい経験になったと同時に、有事の際、接種体制整備の一翼を担えたことには充実感がありました。
 9年目、現部署の薬務課薬務企画グループに異動。現在、主に担当しているのは、治験環境整備促進事業です。コロナ禍では、宿泊施設や自宅の療養患者に対して、治験が行われる必要があったこと、在宅医療やオンライン診療など、患者さんの受診環境が変化してきており、治験でも病院に行かなくても参加できる新たな手法の広がりが期待されています。このことを踏まえ、府内の医療機関にアプローチし、治験環境整備を後押ししていく取り組みを実施中。この手法の実施において、欠かせない医療機関間の協力・連携を推進すること、府民に治験に関する正しい情報が伝わるよう情報発信を行うことにより、治験参加を希望する府民がアクセスしやすい治験環境整備に取り組んでいます。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

異動の数がキャリアアップに繋がると考えているので、多くの部署に就き、様々な経験を積みたいです。そして、多種多様な業務に対し、専門的な知識を発揮しつつ、俯瞰的に捉えて対応することで経験値を上げていきたいです。また、中堅職員として、若手職員の育成にも力を入れていきたいと考えています。

私なりの仕事の心掛け

常にアンテナを張って情報収集
日々の業務に生かす

行政薬剤師の仕事は世の中の動きにあわせて柔軟に対応していく必要があるため、日々の情報収集に努めています。薬務課の業務にどのように影響を及ぼすかを考えながらニュースを見ています。また、様々な業務を並行して行うため、優先順位をつけて期限から逆算し、計画的に業務を進めています。グループ内の調整を円滑にするために報告・連絡・相談を速やかに行うことも大切です。

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