様々なキャリア~目標とする働き方~
大阪府
インデックス
食の安全を守り、健康で安全な社会を支えたい。
保健所から中央卸売市場へ さまざまな経験を重ねる
公務員という進路を知ったのは就職活動を始めてから。薬剤師の就職先は薬局か病院だと漠然と思っていたのですが「こんな道もあるんだ」と興味を持ったのがきっかけです。入庁後は食品衛生監視員として、富田林保健所で飲食店などの許認可業務や、府民からの食品に関する相談や苦情の対応などを担当しました。また、近隣の学校や障がい者就労支援施設などから食品衛生に関する講習会を依頼されることも。聞き手の年齢や生活スタイルに合わせて、わかりやすく伝えることに注力しました。人に伝えるためにはより深い知識が必要だと痛感し、食品表示検定も受験。資格取得をきっかけに副主査へ昇進しました。 保健所で3年間勤務した後、4年目に中央卸売市場内にある食品衛生検査所へ異動。日勤は主に市場の食品を対象とした検査業務を行います。夜勤では市場のセリ開始前に、市場内を回りながら食品の温度管理や保管状態が適切か監視・指導を行います。セリ前の忙しい時なので、市場で働く事業者の方々に当初はうまく話しかけられず戸惑ったことも。自分から笑顔で挨拶をしたり、食品のおいしい食べ方を聞いてみたり、日頃から能動的に関わっていくことで次第に信頼関係ができ、スムーズなコミュニケーションができるようになりました。
卒業キャリアを重ねるごとに スキルもアップするのを実感しています。
刺激と安定のどちらも 叶えられるのが魅力
入庁して14年間、6度の異動があり、保健所や本庁など様々な職場を経験しました。このようなジョブローテーションは、私が公務員の道を選んだ理由のひとつ。数年ごとに環境が変わることでモチベーションを保ちながら仕事ができると考えました。 食品衛生監視員として、まずは藤井寺保健所に配属されました。地域の飲食店や食品製造工場を訪問して、衛生基準に沿った環境や製造工程を守っているかを監視・指導するのが主な業務です。普段は入れない工場の製造ラインを見ることができるのが興味深く、先輩に同行して監視や指導の基本を学びつつ、食品製造に関する知識を深めることができました。 入庁3年目に発生した生食用牛肉の食中毒事件を受け、焼肉店や精肉店への監視・指導を強化するとともに、啓発のための講習会を実施。資料作成から講演までを担当しました。中には定められた基準に理解をいただけない方もいて苦労しましたが、法律をわかりやすく噛み砕いて説明したり、生肉の危険性を辛抱強く伝え、納得いただくことができました。
幅広い分野の仕事に携わり 知識と経験を深めていきたい。
色々な経験ができるところに魅力を感じ、 公務員の仕事を選択
大学内の就職説明会で公務員という選択肢があることを知り、「調剤しない薬剤師」の働き方に興味を持ちました。もともと同じ場所で同じ仕事を継続して行うよりも、いろいろな経験をしたい性格。数年ごとに部署異動があり、自分が生まれ育った大好きな大阪のために働くことができる府庁の仕事は、私にとって理想的でした。入庁者向けの説明会で各課の仕事概要を聞いた際、環境衛生監視員が関わる領域の広さに興味を惹かれ、面談の結果、希望が叶い環境衛生監視員として配属されました。 入庁後1~2年目は藤井寺保健所、3~4年目は岸和田保健所へ配属。遊泳場の水質検査や理美容所やクリーニング、旅館などの監視指導を行いました。遊泳場条例には海水浴場も含まれており、4月頃に協力船に乗ったり胴長を着て海に入ったり、現地に赴き海水を採水して検査を実施。検査の結果、安全性が確認でき無事に海水浴場をオープンすることができました。「海開きの神事」にも立ち会い、地元の園児たちが一目散に海に向かって走り出し、楽しそうに泳いでいる様子をみたとき、大阪府庁の仕事の幅広さを感じました。
府民の健康と幸せを、支えている。 だから行政の仕事はやりがいに満ちている。
人々の健康に貢献できる 薬剤師の可能性を知って
大学院在学中に大阪府庁のインターンシップに参加し、環境衛生監視員の仕事に随行しました。公衆浴場や旅館、理・美容院など多岐にわたる事業者に対し、法令に定められた衛生基準を満たしているか監視や指導を行う業務です。そこで地域の健康を守るという薬剤師の役割を知り、自分も府民の健康を支える公務員になりたいと思いました。 入庁後にまず配属されたのは、環境衛生課の「水道・生活排水グループ」。建物を建築する際に、地下水を掘削して自家用水道を設ける場合があります。その申請にあたって事業者からの相談を受けたり、水道施設や水質基準が法令に適合するよう指導するのが役割でした。建築図面を読み解くなど薬剤師の範疇にとどまらない知識が必要とされ、参考書を片手に、とにかく多くの現場を見ることで経験を重ねていきました。水質の違いによって処理方法が違いますし、建物の規模に応じたタンクの容量も違い、個々のケースごとにきめ細やかな対応が必要となります。中には承認まで時間がかかるケースもあり、完成を急ぐ事業者に対しては「なぜ、このプロセスを踏まねばならないか」を法令等の根拠も用いて、その必要性を根気よく説明しました。人と人とが関わる仕事は、誠実で緻密なコミュニケーションがカギだと実感しました。
他部署や関連機関と折衝を重ね 医療に関する府民の困り事を全力サポート。
仕事内容もキャリア設計も 男女問わず活躍できる環境
就職活動を始めた当初は、企業で臨床研究などの仕事に就くことを考えていました。「男女差のない職場環境なので、長く勤めるのなら良いのでは」と、公務員の道もあると教えてくれたのは研究室の恩師です。恩師が女性だからこその助言ですが、行政機関は薬だけでなく食品や環境など学校で学んだ知識を活かせるステージが多いことも、恩師が公務員を勧めてくださった理由だと思います。 入庁後、女性職員の増加とともに、産休や育休、時短勤務を利用して復帰後もかわらず活躍している職員が増え、働きやすい環境とやりがいのある職場であることを実感しています。また薬務課はほとんどが薬剤師で、意思の疎通も図りやすいですね。
病気にならないための「予防」で 府民の健康を守りたい。
環境衛生に携わる仕事で 多くの府民の健康を守りたい
病院や薬局での実務実習を受ける中で感じたのは、病気になられた患者さんのケアも大切だが、病気にならないための予防も重要だということです。そんな考えの中、大阪府のインターンシップに参加。「生活衛生の向上をもって、府民の方々の病気や怪我の予防を図る」という環境衛生監視員の業務内容を知った時に、まさにこんな仕事がしたかったんだと思い、大阪府の採用試験を受けました。 入庁後の職種については本人の希望と面談などで決められるのですが、私は希望がかない環境衛生監視員として、1年目に和泉保健所に、4年目からは本庁に勤務しています。 保健所では、地域の理・美容所やクリーニング店、旅館、映画館、公衆浴場といった環境衛生施設が、法令に則って営業を行っているかの監視指導を行っていました。法律でこう決まっているからと杓子定規に指導するのではなく、なぜ、そうすることが必要なのか目的や理由をしっかり説明し、理解していただくことが大切だと思っていますし、複数の課題を抱えた営業者さんには、科学的見地から公衆衛生上、優先させるべきことから改善を促すこともありました。そうして納得して実行していただくことが、継続的な衛生環境の改善につながると思っています。