救急病棟と救急外来を兼務し、多職種と協働する中で、患者さんの状態改善に貢献できることにやりがいを感じるとともに、救急領域における薬剤師業務の確立・標準化にも使命感を持って取り組んでいます。また、地域の災害対応力向上にも尽力しています。
実際に救急外来を担当するようになって、薬剤師が介在することの意義を強く感じているのですが、現状ではまだ救急外来の薬剤師業務は確立されておらず、論文もあまりありません。救急外来の医療安全の確保に、薬剤師がどう貢献できるのかなど、日々の業務を評価分析し、学会での成果報告や論文のような形で情報発信していくことが重要だと考えています。こうした活動を通じて、診療報酬としても認められ、救急外来での薬剤師業務の確立につなげていく力になりたいと思っています。
救急病棟と災害救護班への配属で
医療者としてのマインドセットが変化
入職4年目に救急病棟と日赤災害救護班へ同時に配属されたことで、災害救護の研修や訓練を受けることになり、日常の医療とは全く異なる災害への心構えを学び、非常事態であってもしっかりと役割を果たせるようになりたいと強く思いました。そのためにも日ごろからの準備が大切と、知識習得にも熱が入り、研修にも現場の状況を考えながら取り組むなど、救急と災害で学んだことは、今の私につながるバックボーンとなっています。
医学書だけでなく患者起点で
臨床に役立つ生きた知識を習得
医学書をただ読むだけでは臨床に活かせないと思っています。患者さんを起点に、ベッドサイドへ行き、カルテを見て、他のスタッフと意見を交わし、分からないことを調べるために本を開く。「その患者さんにこんなことが起きたらどうすべきか」などとシミュレーションしたりしながら学べば、現場で役立つ生きた知識が身に付きます。
現在の夢に固執し過ぎることなく
自分の可能性を広げてほしい
自分が目指す夢や目標が叶えられる職場かを見極めることも大事ですが、必ずしも“今の夢”に縛られなくてもいいとも思います。視野が広がれば、やりたいことも変わってくるものです。私自身、学生時代には救急・災害医療に全く興味はありませんでした。いろいろなことにチャレンジし、幅広い経験を積み、自分の可能性を広げていってほしいと思います。
コロナ禍のステイホームにより、読書の時間が大幅に増えました。医学書ばかりでなく、さまざまな分野の書物を読むことで視野を広げています。コロナが収束すれば、現地開催の学会や家族・友人等との旅行などでいろいろな場所を訪れ、綺麗な景色やご当地グルメを堪能したいですね。