より多くの先生と交流し
幅広く学べる環境が魅力
若いうちにいろいろと勉強し、またチーム医療にも参加したいとの思いで、国立病院機構に入職。異動によって、より多くの先生と交流でき、幅広く学べる機会があることもポイントになりました。
1年目はまず一人で当直ができるように、調剤や注射室の業務、抗がん剤の無菌調製など、徹底して基本を学びました。半年が経つ頃には、調剤業務の傍ら、先輩薬剤師の指導のもとで呼吸器科の病棟業務も開始。肺がんの患者さんなど、痛みを訴えられる方も多く、「自分に何ができるだろう」と思い悩む日々でした。同時に「もっと勉強して、少しでも患者さんの力になりたい」と学習意欲も増しました。
HIVチームへの参加や
被災地支援など経験を積む
2年目には、HIVチームに自ら立候補して参加。先輩薬剤師から「医師と一緒に治療方針を決めたり、患者さんと密接に関わり、医師との架け橋になったり、やりがいの大きい仕事だ」と聞いていたことに加え、名古屋医療センターはHIVの拠点病院であるため、「ぜひともこの機に勉強したい」と考えたからです。
実際に参加してみて、こうしたやりがいに加え、心理士やソーシャルワーカーなど、実に多様な職種と関わることができ、視野も広がりました。話しやすい雰囲気づくりや、アドヒアランスへの意識など、その後の病棟業務にも活かせています。
また、東日本大震災の被災地へ医療班の一員として派遣され、現地での医薬品管理や被災した薬局のサポート業務などを実施。おくすり手帳を持っていない被災者も多く、医薬品の種類も限られた中で、「応用力を高めるためには、もっと幅広い知識が必要」と、自身の知識不足を痛感しました。同時に、「せめて患者さんに寄り添うことで、少しでも心のケアにつながれば」と、積極的に声をかけ、健康に関わるアドバイスをするように心掛けました。
時間短縮勤務を機に
自らの「働き方改革」を断行
4年目からは産婦人科病棟を担当し、ちょうどその頃に結婚、6年目には第一子を出産し、5カ月の育休を取得しました。時間短縮勤務で復職後、新人教育も担当し、限られた時間内で効率的に進めるために、事前にテーマを決めて面談を行うなど工夫をしていました。
8年目には第二子を出産し、3カ月の育休の後に再び時間短縮勤務で復職。「絶対に時間内に終わらせる」と強い決意で、自分なりの「働き方改革」にチャレンジ。週内にやることをリストアップし、1週間の「時間割」を作成するなど、業務ごとに時間を区切って取り組むことで効率化を実現することができました。
「どんな状況でも対応できるオールマイティな薬剤師」を目標に、今後も様々な病棟や施設を経験し、また認定薬剤師の資格取得にもチャレンジしていきたいと思います。