一宮市立市民病院

業種 病院

資格取得

日本麻酔科学会 周術期管理チーム薬剤師
2021年取材記事
手術室での薬剤師業務の確立により、
より安全・良質な医療の提供を目指したい。
薬剤局
薬学研究科 1995年修了

手術室での薬剤師業務の 確立を目指して

 周術期管理チーム薬剤師の資格制度ができたのは、2016年と新しいものですが、当院ではそれより5年遡る、2011年から手術室に薬剤師を配置し、薬品管理や術後疼痛コントロールに使用するPCAポンプ薬剤調製などを開始していました。
 当時、私は中堅と言われる年代に差し掛かったこともあり、薬剤局の業務拡張に率先して取り組んでいこうという思いが強く、また大学院で有機化学における新規化合物の合成研究を行っていた経験も生かせると、手術室における薬剤師業務の立ち上げを担当することになりました。手術室は言うなれば究極のチーム医療現場です。一人の患者さんのために、多職種が連携し、それぞれの役割を完璧に果たすことが求められます。互いの仕事を見ながら、必要に応じて確認したり、相談したりしながら、より安全な医療の提供に力を注ぐ中で、一体感も自ずと高まります。
 最初は半日勤務から始まったのですが、2014年からは1日へと常駐時間が拡大したことに伴い、医師からの要望の高かった術中に使用する麻酔薬調製や、麻薬の返納処理も行うよりになりました。まさに“なくてはならない存在”として他職種からの信頼も高まり、手術室での薬剤師業務の確立につなげることができたと自負しています。

薬剤師による患者さんへの シームレスな介入の充実へ

 2017年には、こうした業務を通じて培った知識を形にしたいと、周術期管理チーム薬剤師の資格を取得しました。例えば手術室の設備に関わることなど、これまであまり意識してこなかったことも試験勉強の過程で改めて学び、知識を補強することができたのはよかったですね。
 また、入院前の患者さんに薬剤師が面談を行う「患者サポートセンター」の立ち上げの際には、手術に影響を与える可能性がある情報を予め聞き出し、確認しておける体制づくりにも注力。医師や看護師にも情報を提供するなどの取り組みもしています。
 今後も入院前を含む周術期から退院後の術後化学療法、薬薬連携へとシームレスな薬剤師による患者さんへの介入を充実させ、より良質な医療を提供できるよう、取り組みを進めていきたいと考えています。また現在、当院で周術期管理チーム薬剤師の資格を取得している薬剤師は私を含めて3名いるのですが、後進指導にもさらに力を入れ、私たち薬剤局のトータルパワーを高めていくことにも力を入れていきたいと思います。

ADVICE

後輩の皆さんへアドバイス

後輩のみなさんへ アドバイス

自分の興味のあることをとことん追求し、恐れることなく新たな道を切り拓いていってほしいと思います。また、興味のない分野であっても、まずはやってみることです。新しいことに挑戦し、自分でレールを敷いていくことの面白さを感じてほしいですね。

周術期関連の実務経験2年以上、セミナー参加実績などが条件
  • 実務経験

    薬剤師実務経験が5年以上、
    うち2年以上の周術期関連の実務経験
  • セミナー受講

    日本麻酔科学会が主催、または
    共催する周術期管理チームの
    セミナーに2回以上参加、
    またはこれに相当するe-learningを受講
  • 申請・試験

    受験申請書、職務経歴書などを添え、
    Webより申請
  • 更新

    3年ごとの更新が必要
取得方法

資格取得には次の条件を満たす必要があります。(1)日本国の薬剤師免許を有すること。(2)薬剤師免許を取得後、薬剤師としての病院・診療所勤務歴を5年以上有し、その内2年以上の周術期関連の実務経験があること。(3)申請する年の3年前の4月11日から申請する年の3月31日までに、日本麻酔科学会が主催、または共催する周術期管理チームのセミナーに2回以上の参加実績、あるいはこれに相当するe-learningの受講実績があること、などの条件があります。

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