ゼロからイチを生み出す力
薬剤師の職能の広がりに
可能性を見出して
私は、何もないところから新たな価値を創造することにやりがいを感じるタイプ。コミュニケーション力を活かし、未知の分野に挑戦するのも得意です。学生時代に新設の研究室を選んだのも、そうした性格からでした。そのため将来のことを考え出した頃は、薬局での仕事は「店舗内で完結する」という固定観念があり、あまり関心を持てませんでした。しかし、先輩に誘われて参加した「ココカラファイン」のインターンシップで、その認識は大きく覆りました。薬局薬剤師には地域活動や在宅医療など幅広い役割があり、責任の大きさに驚くと同時に、自分の進むべき道だと確信。現場の声が即反映されるスピード感や、人を大切にする社風にも惹かれ、「ココカラファイン」で働くことを決めました。入社当初は知識不足から「役に立てていないのでは」と悩むこともありましたが、ちょうどかかりつけ薬剤師制度が始まった時期でもあり、まずは患者様との信頼関係を築くことに全力を注ぎました。その成果が認められ、5年目には月間処方箋4,000枚を扱う大型店「リドレ横須賀店」の薬局長を任されました。
人を束ね、信頼を築く経験が
自らの成長を支える大きな糧に
「リドレ横須賀店」は駅近で、来局者もスタッフも多い大型店舗。経験豊富なスタッフが多かったものの、組織としての一体感に欠ける状況でした。着任当初はスタッフとの間に距離を感じましたが、積極的に対話を重ね、意見を実務に反映することで、徐々に信頼関係を構築。自ら、多くの患者様にかかりつけ薬剤師として指名される姿を示すことで周囲の信頼と協力を得られるようになりました。局内に留まらず、外部との連携にも注力。病院との協力体制を構築し、フォローアップ、オンライン服薬指導、リフィル処方せん等、当時最新の対人業務を積極的に推進しました。これらの取り組みは、ココカラファイン薬局全体のモデルケースとして高く評価をいただきました。
薬剤師の社会的価値を
高めるために
職能のさらなる拡充を目指して
入社8年目には、当社初となる関東地区での病院研修プログラムに参加。薬局では経験できない専門業務に従事するなかで、薬剤師の職能拡大と社会的価値向上への思いが一層強まりました。研修後は新設の病院敷地内薬局の立ち上げの責任者として薬局長に着任。各店舗から集まったスタッフ間には、意識や職務習慣に差があり、運営方針の統一には調整を要しました。そこで掲げたのは「対物業務は効率化、対人業務は充実」という共通の方針。一人ひとりが主体的に取り組む文化を育むことで、チームとしての結束が生まれました。今は理想の薬局像に近づいていると実感しています。
今後はこれまでの経験を礎に、エリアマネージャーとして地域全体の薬局のレベルを引き上げ、薬剤師の職能向上に尽力していきます。米国では薬剤師が高いレベルで処方提案や薬物療法支援を担い、医療チームの一員として高い専門性を発揮しています。日本の薬剤師も、そうした存在に近づけるよう挑戦を続けていきます。