IMSグループ(板橋中央総合病院グループ)

業種 病院

資格取得

日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療専門薬剤師
2024年取材記事
日々知識をアップデートし 質の高いがん治療を一貫して提供できる薬剤師へ。
医療法人社団明芳会 イムス三芳総合病院 薬剤部 主任
薬学部 2016年卒業

がん患者さんとの関わりの中で
資格取得を決意

 学生時の実務実習でがんや感染領域の認定薬剤師として多職種連携の要となって働く先輩薬剤師の姿を見て、私も専門領域を持ちたいという思いを持つようになりました。入職1年目から呼吸器・乳腺・消化器など一般外科病棟を担当する中で、多くのがん患者さんへの薬剤管理指導業務に携わり、辛そうな様子を目の当たりにしたことで、「少しでも化学療法の副作用を抑え、薬物療法の効果を上げるために自分に何ができるか」と真剣に考え、勉強にも熱が入るようになりました。
 2年目からは、1年上の先輩が外来化学療法室を立ち上げたタイミングで、私も病棟と兼任で、外来がん治療にも携わるようになりました。年の近い先輩が外来がん治療の認定・専門薬剤師を目指している姿に触発され、また外来がん治療に携わるようになって、医師や看護師などと協議したり、患者さんから相談を受けたりすることが多くなったこともあって、資格取得を考えるようになりました。

資格取得で広がった
知識や人脈、活躍の場

 まず要件となる実務経験3年をクリアした2020年のタイミングで外来がん治療認定薬剤師、さらにその2年後に外来がん治療専門薬剤師の資格を取得しました。同時期に周術期管理チーム薬剤師の資格も取得しています。
 試験対策で一番苦労したのは、血液がんなど当院では扱っていないがん腫の勉強でした。グループ内の相談窓口に連絡したところ、すぐにグループ内の別施設の薬剤師を紹介してくれ、指導いただけることに。おかげで知識も人脈も広がりました。何でも相談でき、グループトータルで支援してくれるのでとても心強いです。
 現在は、外科病棟のリーダーを務め、毎月開催するキャンサーボード(がん治療に携わる専門職が診療科や職種の垣根を越えて集まり、最適な治療方針を検討するために行うカンファレンス)においても中心的な役割を果たしています。キャンサーボードでは、入院・外来で化学療法を受ける患者さんの治療経過や状態についての情報共有、ディスカッションを行っています。医師、看護師、理学療法士などと協力することで、よりよい薬物療法につながり、やりがいを感じています。
 また、2023年から専門薬剤師育成委員会が設けられ、私はがんと緩和の2領域の責任者としてグループ内の他施設の先生と一緒に研修会などを開催しています。参加メンバーに合わせて内容や開催方法に工夫を凝らし、症例の添削なども行っています。今後も有効性の高い治療を患者さんに提供できるよう、日々知識のアップデートに努め、緩和薬物療法認定薬剤師の資格取得も目指していきます。

ADVICE

後輩の皆さんへアドバイス

将来について じっくり考える 時間を持って

就職活動でさまざまな業種を見学する中で、なにかの領域のスペシャリストを目指したいという思いが湧き、総合病院への入職を決めました。説明会や病院見学・インターンシップなどを活用し、薬剤師として自分が将来どうなりたいか、じっくり考えてほしいと思います。

日本臨床腫瘍薬学会がん診療病院連携研修を修了などが必要
  • 学会入会

    日本臨床腫瘍薬学会の会員になる
  • 認定

    外来がん治療認定薬剤師である
  • 実務経験

    薬剤師実務経験5年以上
  • 研修

    がん診療病院連携研修修了
  • 申請・認定

    申請に基づき承認を受けて認定
取得方法

外来がん治療専門薬剤師の認定を申請する者は、以下の条件をすべて満たす必要があります。(1)薬剤師としての実務経験を5年以上有すること。(2)外来がん治療認定薬剤師であるか、または認定薬剤師試験に合格したこと。(3)日本臨床腫瘍薬学会が行うがん診療病院連携研修を修了しているか、修了とみなす認証を受けていること、などの条件があります。
外来がん治療認定薬剤師は、薬剤師実務3年以上、がん領域の講習または研修を60単位以上履修、外来のがん患者の薬学的介入実績事例を10例提出などの要件を満たし、外来がん治療認定薬剤師認定試験に合格することが必要です。

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