一般財団法人 住友病院

業種 病院
2019年取材記事
感染領域の専門性に磨きをかける よりよい薬物療法につなげたい。
薬剤部・感染制御部
薬学研究科修了 2011 年入社
私のCAREER
感染制御部

感染領域の専門性を高めたいとICT(感染対策チーム)への参加を志願し、現在では抗菌薬の使用状況のチェックにとどまらず、注射薬に加え内服の抗菌薬に関するデータ整備にも尽力。学会発表を行うなど、情報発信にも力を入れています。

9年のCAREER

  • 1年目

    入職
    調剤業務に携わる

    調剤業務をはじめ、注射薬業務、TPN(中心静脈栄養)や抗がん剤の調製などの業務を一通り実施し、基本となる調剤業務について徹底的に学ぶ。入院患者のみならず、院外処方も担当し、さまざまな診療科、疾患に関わる処方に触れ、調剤や監査に関わる知識・スキルを高める

  • 3年目

    呼吸器内科・外科病棟で
    病棟薬剤業務を開始

    感染症患者の多い呼吸器内科・呼吸器外科の病棟を希望して配属され、病棟薬剤業務を開始。調剤に関する知識を生かして、医師に処方提案をしたり、患者さんからの相談に乗ったりしながら臨床での経験を積む

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    ここがPOINT1

    実際の患者さんを目の前にし、また医師や看護師などと連携する中で、処方箋の裏側にある医師の意図など、「見える範囲」が大きく広がりました。また、病気に苦しむ患者さんの姿に、「症状改善に向けて少しでも役に立ちたい」と勉強にも熱が入るようになりました。

  • 6年目

    感染制御部に配属され
    ICT活動を開始

    以前から希望していた感染制御部に配属され、調剤を行う傍ら、耐性菌の蔓延を防ぐことを目的とした抗菌剤の適正使用の推進活動に注力。医師から相談される機会も増え、また経験豊かな先輩の指導もあり、感染領域の知識を深める

  • 8年目

    感染制御部の専従として活動

    抗菌薬適正使用支援加算取得の条件を満たすため、専従者として活動を強化。それまで週1〜2回だったICTによるラウンドを毎日にし、注射薬のみならず内服薬にまで範囲を広げて使用状況をチェック、分析し、学会発表なども行う

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    ここがPOINT2

    積極的に学会や院外の勉強会などに参加してきたことで、同じ志を持つ仲間に恵まれ、シンポジウムに呼んでもらったり、学会で発表したものを論文化する道筋がついたりと、情報交換の重要性を痛感しています。

感染領域に携わり
よりよい薬物療法に貢献したい

 多職種と関わるチーム医療の中で、日々刺激を受けながら幅広い知識とスキルを身に付け、成長していきたいと考え、幅広い診療科が揃う住友病院に入職しました。
 入職後は、当時の2年かけて調剤業務を徹底して学ぶ教育システム下で、調剤業務をはじめ、注射薬業務、TPN(中心静脈栄養)や抗がん剤の調製など、幅広く実施。多様な処方に触れ、また検査技師や管理栄養士など他職種とも積極的にコミュニケーションを取り、知見を深めていきました。
 現在、薬剤師は幅広い知識に基づくジェネラリストであると同時に、専門性に磨きをかけることも求められていますが、入職から1年ほど経ち、「薬剤師として今後、自分は何をメインとして業務をしていきたいのか」と将来について展望した時、第一に思い浮かんだのは感染領域でした。各病棟に感染症の患者さんが必ずといっていいほどいることや、よりよい薬物療法の実現に薬剤師が大きく貢献できる領域であることなどから、感染領域に興味を持つようになったからです。 

呼吸器内科・外科病棟で
実践的な知識を習得

 3年目になり、病棟業務の開始前に行われた薬剤部長との面談では、感染領域に関わる業務に携わり、専門性を高めていきたいという将来展望と、そのためにまずは肺炎をはじめとした感染症が多い呼吸器内科・外科の病棟で経験を積みたいという希望を述べ、その通りに配属していただきました。肺炎や喘息など、呼吸器に関わる疾患は、患者さんの辛さが手に取るようにわかり、少しでも力になりたいという思いを強くしました。また高齢者も多く、専門用語をできるだけ使わず、わかりやすい説明や、ゆっくり話して丁寧に伝えることを心掛けるようにしました。
 これまで2年かけて積み上げた調剤に関する知識を生かし、患者さんからはもちろん、医師からの相互作用に関する相談に答えたり、医師に処方提案をしたりする中で、実践的な知識を深めることができました。

抗菌薬の適正利用に
貢献できていると実感

 6年目からは調剤を行う傍ら、ICTの一員としての活動を開始。抗菌薬が適正に使用されているかのチェックや、バンコマイシンなどTDMが必要となる薬剤のモニタリング、抗菌剤使用に関するコンサルタントなどを主に担当しています。医師からの相談も増え、抗菌剤や感染症はもちろん、さまざまな疾患に関する知識を得るべく、自己研鑽に励む日々が続きました。さらに、ICTメンバーと各病棟を巡回したり、院外の研修会に参加したりする中で人脈も広がりました。
 医師からの相談を受けて提案した抗菌薬が採用されて治療効果を得られたり、また広域抗菌薬からの切り替えも進んできたりと、抗菌薬の適正使用に貢献できているという実感が得られ、やりがいのある仕事です。
 さらに8年目からは抗菌薬適正使用推進の専従者となり、取り組みを深化。週1〜2回だった院内巡回を毎日に強化したほか、注射薬に加え内服の抗菌薬にまで広げて使用状況などに関するデータを収集・分析を実施しました。さらに検査技師に協力してもらい、菌の特定や効果などを測定し、毎日チェックするきめ細やかなフォロー体制の構築にも注力しました。こうした取り組みの結果、感染制御部が設立された10年前に比べると、抗菌薬の使用量は約50%にまで削減され、投与期間の短縮なども含めた適正使用につながりました。

積極的な情報発信にも挑み
人脈も活躍の場も広がる

 ICT活動を開始してから、専門書を購入して勉強するだけでなく、学会や院外の勉強会にも積極的に参加し、知識の習得に力を入れるようになりました。最近では、情報を得るだけでなく、発信にも努め、この3年で学会発表をした回数は6回に上ります。情報発信をすることで、いろいろなところで声をかけてもらえるようになり、シンポジウムに呼ばれたり、他病院の研究会に招かれたりと、活躍の場も広がってきています。
 目下の目標は感染制御認定薬剤師と抗菌薬化学療法薬剤師の資格を取得すること。テキストを参考にしながら、これまで自分が得てきた知識や経験を整理していく中で、次のステージに向けた目標や方向性も見えてきました。感染領域をさらに掘り下げ、専門性に磨きをかけると同時に、より広い視野と知識を得られるよう、分野を限ることなく、さまざまなことにチャレンジしていきたいと考えています。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

●感染制御認定薬剤師と抗菌薬化学療法薬剤師の資格を取得し、さらに感染制御専門薬剤師の資格取得も視野に専門性に磨きをかけていきます。
●プライベートでは、院内のゴルフ大会で2度目の優勝を実力で飾ることです(1度目はハンディキャップがたくさんあったので)。

これが成功の分岐点

希望を言葉にして伝え 自らの道を切り拓く

感染領域に携わりたいという希望を面談時に伝えたのをはじめ、病棟業務開始時にも感染症患者の多い呼吸器外科・内科を希望するなど、折りに触れて自分の希望を周囲に言葉にして伝えてきました。6年目からはICT活動に参加し、現在に至るまで感染領域で活躍できているのは、自身の将来展望を早い時点で描き、それに向けてアピールし続けてきたからこそだと思います。

私なりの仕事の心掛け

「NO」と拒絶するのではなく 何事もチャンスと思って取り組む

何事に対しても、「NO」と拒絶する前に、「せっかく自分に声をかけてくれたのだから、何とかできないか」と前向きに考え、チャンスと思って取り組むようにしています。学会発表を行うきっかけも上司の勧めで、そのおかげで同志の輪も広がり、より研究を深めることができています。

学生の皆さんへメッセージ

明確な目的意識を持って 着実に前進していってほしい

働き始めてから「予想していたのとは違う」となるのを避けるために、前もっていろいろ調べたり、先輩に聞いたり、実際に見学したりすることが大切です。また目的意識を持ち「自分がどうなっていきたいのか」と考え、社会人になってからは特に周囲にもその思いを伝え、実現の道を探ってほしいと思います。

オフタイム

休日は夫婦一緒にゴルフを楽しんだり、
ジムに行ったりして汗をかいてリフレッシュしています。




野球観戦も好きで、テレビだけでなく、
応援グッズを手に球場にも駆けつけています!

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