2015年取材記事
薬剤師は「人にアプローチする仕事」。 常に自分を磨き、本質を見抜く目を 養うことが大切です。
兵庫ブロック ブロック長
医歯学総合研究科修了 2006 年度入社
私のCAREER
ブロック長

14店舗、総勢約70名のスタッフからなる兵庫ブロックの運営マネジメントを担当。 店舗運営の支援のほか、薬局長の育成、新規開局、医療機関との交渉など業務は多岐にわたりますが、 あくまでも結果を出すのは現場。現場を多方面からサポートする立場ととらえています。

10年のCAREER

  • 1年目

    入社
    薬剤師

    総合病院門前の調剤薬局に勤務。定時に退社し、帰宅後は勉強したり、料理に挑戦したりと、さまざまなことにチャレンジ

  • 3年目

    薬局長に就任

    初めての薬局長として奮闘しながら、ブロックの教育研修担当も兼任し、仕事もプライベートも充実した日々を送る

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    ここがPOINT1

    患者さんに間違った規格の薬を渡してしまい、「薬を出す方は日に何度も処方する内の1回だが、患者さんにとっては非常に重要な1回の処方である」という重責を改めて実感しました。

  • 5年目

    薬局長
    (大型医療モール店舗)

    スタッフ数は約20名、処方箋数は月5,000枚と、これまでより規模が大きくなるなか、コンシェルジュ制を導入するなど、サービス改善に注力

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    ここがPOINT2

    ブロック長研修に参加。自己分析から経営戦略やマーケティングまで、俯瞰したものの見方や考え方を学び、「今の自分」と「将来なりたい自分」を具体化でき、そのギャップを埋めるためにすべきことも明確になりました。

  • 8年目

    ブロック長に就任

    今まで過ごした東日本から西日本へ本拠地を移し、プライベートでは結婚もするなど、転換期を迎える

  • 10年目

    ブロック長に復帰

    出産と育児休暇を経て、産前のポジションである兵庫ブロック長に職場復帰。現在、短時間社員として勤務

「人に近い仕事をしたい」と
「町の薬剤師」を志望

 ブロック長として14店舗ある兵庫県内のそうごう薬局の運営マネジメントを担当しています。薬局長育成、行政や社内対応に関する現場への指示、組織構築を見据えた人事異動、会社方針に沿った施策実施、医療機関や施設、外部委託先との交渉、新規やM&Aによる薬局の立ち上げ、リスクマネジメントなど、業務は多岐にわたります。しかし、あくまでも結果を出すのは現場であり、私の役割はそれを陰ながら支えることです。組織を守り前進させるという責任とやりがいに加え、部下が成長したり、薬局が快適な空間となったりと日々喜びもあります。
 とはいえ、最初から調剤薬局を志望していたわけではなく、大学卒業後は研究の道を選択。研究室にこもる日々を送っていましたが、「もっと人と接する仕事をしたい」と考えるようになりました。患者さんにとって最も身近な存在で、反応をダイレクトに得られる「町の薬剤師」が、一番私に向いていると感じ、調剤薬局を運営する総合メディカルへの入社を決めました。将来的に薬局を運営したいという思いもあり、教育制度が充実していることに加え、医業経営コンサルティングなど幅広く取り組んでいることもポイントになりました。

薬剤師として社会に出て
「免許の重さ」を実感

 入社してまず感じたのは、学校で習ってきた知識だけでは通用しない「社会の厳しさ」です。添付文書を精読し、医薬品の投与から体内での副作用を含めた発現、体外に出るところまでの一連の流れを把握し、さらに多種多様な患者さんに的確に対応するコミュニケーション能力も必要とされる中で、自身のふがいなさに心が折れそうになることも。「薬剤師免許の重さ」がずしりと肩にのしかかり、まだまだ修行が必要だと痛感しました。
 その重圧から抜け出せたのは、2年目後半になってから。薬局長になるための研修を受け、薬局運営の全体像が見えたことで、「大局に立てば自分が悩んでいることなんて小さなことだ」と思えるようになり、展望も開けました。3年目からは実際に薬局長へとキャリアアップしたのですが、最初はこれまでの過程やスタッフの思いを十分に汲むことができず、自分の理想を一方的に押し付けてしまい、なかなかうまくいきませんでした。ブロック長に相談したり、他の薬局長と話をしたりしながら、各スタッフがやりがいを持って働ける環境をつくり、徐々に良い方向へと導いていくことが大切だと気付きました。
 また、それまで患者さんが来てくれていることを当たり前のように思っていましたが、運営に携わるようになったことで、「全国に5万もの薬局がある中から当店舗を選んでくださって本当にありがたい」という感謝の気持ちを強く持つようになりました。

患者満足度を意識し
スタッフ全員で取り組む
体制づくり

 5年目にはスタッフの総勢が約20名という大型医療モール店舗の薬局長に。月5,000枚もの処方箋がある中で、いかに患者さんをお待たせせず、満足度の高いサービスを提供できるかが大きな課題でした。
 そこで、調剤の動線などの細々としたところから見直し、さらに全店舗で2番目となるコンシェルジュ制(待合室フロア専任の総合案内係)導入という大きな変革も実施。さらに、各スタッフにそれぞれ役割を与え、患者さんを起点としながら各自が責任を持って行動できる仕組みづくりに注力しました。さらに、月1回の店舗会議では各自が自分の担当における状況を発表したり、コンシェルジュの日誌や目標管理シートを全員で共有したりして一体感を高めていきました。特に、目標管理の提出では、成果を数値や写真など「目に見えるカタチ」で提出することを徹底。きちんと成果まで結びつけた目標設定にするとともに、自分の仕事の成果を実感でき、モチベーションアップにもつながるものにしました。
 また、7年目には1年間を通じて4回のブロック長研修にも参加。マネージャーに向いていると言われた反面、交渉力や周囲を巻き込みまとめていく力など、不足している点も指摘され、自身の弱みと正面から向き合い、克服するにはどうすればいいかと考える契機となりました。

「人を動かす」には
自身の人間性を
高めることが大事

 こうした経験を踏まえて、改めて「薬剤師は人にアプローチする仕事」であるという認識を新たにしました。実際私も「人をよく見るようになった」と自身の変化を感じています。入社当時は「自分の思い」ばかりが先走ってしまいがちでしたが、今では相手をよく見て、本当はどう思っているのか、言葉の裏にある真意をとらえたり、普段からコミュニケーションをとって小さな変化も見逃さないようにと心掛け、実践するようになりました。
 自分1人でできることには限りがあります。「どうすれば力を貸してもらえるか」と考え、行動することはとても大事なことです。特に今は、子どもを保育園に預けながらの短時間勤務で、時間的な制約があるため、次に起きることを予測して早めに相談したり、情報を共有したり、余裕を持ってスケジュールを組むようにしています。そして「人を動かす」には、自分自身の人間性を高め、多角的な視野を持ち、物事の本質を見極められる人になりたいと思っています。そのためには、本を読んだり見識を深めることも大事ですが、様々な人と触れ合い、実体験を積むことも大切です。
 ぜひ薬学生の皆さんも、積極的に学外に出て、インターンシップなどを通じて社会と触れ合う機会を持ってください。そして先のことを深読みし過ぎず、今の自分の力で精一杯世の中の役に立てることを見つけ、謙虚にひたむきに努力してほしいと思います。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

ブロック長としての現場経験を糧に、管理職としてまた短時間社員として、社会や会社に貢献できる“自分なりの仕事スタイル”を見つけていきたいと思います。また今後、育児や介護など時間に制約のある社員が増えることが予測される中で、個々の社員が持てる能力を最大限に発揮できる組織づくり、人財づくりに力を入れていきたいと思います。

新人時代の失敗

会話はキャッチボールであることを 改めて認識

投薬台に立って対応を始めた頃、「何か聞かなくちゃ」と一方的に患者さんに話しかけ、「どうしてそんなことまで聞かれなきゃいけないの」と言われ、衝撃を受けました。会話はキャッチボール。相手がどのような状況にあるのか、何を求めているのかを察することが大事だと学びました。

これが成功の分岐点

様々な壁に突き当たり 悩み学んだことが“肥やし”に

大型医療モール店舗の薬局長を任され、大勢の店舗スタッフ、土日祝日の開局、多くの医療機関とのやり取り、患者さんをお待たせする心苦しさなど、様々な壁に突き当たりました。これらの経験を重ね、組織単位での業務遂行やリスクマネジメントを学ぶことができたことが、今のブロック運営でいきていると思います。

私流自分の磨き方

ピンチをチャンスに変え、 物事の本質をとらえられる人に

私のモットーは「ピンチはチャンス!」「周辺環境のせいにしない」「物事の本質をとらえる」です。例えば、トラブルに真摯に対応することでより強い絆が生まれることもあると学びました。また、物事の本質をとらえるためには、多角的に見ることが大切です。本を読んだり、新しい土地や人との出会いを楽しんだりしながら、経験値を高めていきたいと思います。

オフタイム

夫婦でお互いに仕事をやりきった平日の夜、食事をしながら子どもの保育園での“面白エピソード”などを話すのが何より幸せなひとときです。土日には動物園や水族館、アミューズメントパークに出かけることも。子どもはまだ幼いためキョロキョロするばかりで、親のほうがはしゃいでいます。

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