社会医療法人 峰和会 鈴鹿回生病院

業種 病院

資格取得

がん薬物療法認定薬剤師
2015年取材記事
カウンセリングを大切に
患者さんのQOL向上を手助けしたい。
薬剤管理課係長 がん薬物療法認定薬剤師
薬学部卒業 2007年入社

資格取得のきっかけは
医師と副作用を考えたこと

 10年ほど前に大学病院の外科病棟で、抗がん剤治療に関わったのをきっかけに、がん薬物療法認定薬剤師を目指しました。病棟に行き始めたころは、まだ制吐剤のガイドラインもなく、抗がん剤の副作用に対する支持療法が徐々に確立し始めたころでした。副作用に苦しむ患者さんの訴えに、薬剤師として何とか応えたいと思い、副作用を軽減する薬の処方を医師に提案するなど、医師と一緒になって考えるうちに、がんの薬物療法についての知識をもっと深めたいと思うようになりました。
 資格取得後は、診察室で医師が患者さんを診察する時から同席し、抗がん剤を使用するかしないかの選択に始まり、投与する抗がん剤の説明などを行います。これまでは、一般的に薬剤師は、患者さんの治療方針決定後から関わることが多かったのですが、決定前から患者さんと接する機会を持てるようになったことが、大きな違いです。患者さんと身近に接していれば、変化にも早く気づくことができ、投与量の調整や投薬スケジュールの確認などにも役立ちます。「楽になったよ」「ありがとう」の言葉を聞くとやりがいも感じます。そして、チーム医療の充実した現場で働けることにも感謝しています。

資格は取得してからが勝負
最良の答えを探し日々勉強

 資格取得で特に苦労したのは、3カ月間の研修と薬剤管理指導の実績50症例を提出することでした。私が不在の3カ月間、職場の方々に大きな負担をかけましたが、快く送り出し、万全の体制で業務をフォローしてくれました。資格取得に取り組むのに、とても恵まれた環境にあったことに感謝しています。
 取得した資格を活かすためには、さらなる勉強が必要だと改めて思います。自分が関わった患者さんが亡くなられた際、ご家族から「ありがとう」と言われるたびに、「最良の治療のお手伝いができただろうか」と自問します。抗がん剤治療に明確な答えはありません。患者さん一人ひとりの治療内容や生活環境に応じた最良の薬物療法を探究していかなくてはなりません。
 患者さんへのカウンセリングを大切に、患者さんの訴えや希望をしっかりと聞いて、少しでも質の高い生活を送っていただくための手助けをしていきたいと思います。
 また、日進月歩で種類が増える抗がん剤について、がん薬物療法認定薬剤師として、正しい知識を医療スタッフに提供していきたいと考えています。

ADVICE

後輩の皆さんへアドバイス

取得のための環境が整っていることが大切

専門や認定薬剤師を目指すのであれば、働く職場は有資格者が多い職場がいいです。有資格者が多ければ、先輩からのアドバイスも聞きやすいですし、その病院及び薬剤部が資格取得に理解があり、支援体制や環境づくりにもしっかり取り組んでいると言えます。また薬剤師数が多いと研修にも行きやすくなりますので、それもポイントの一つだと思います。

研修3カ月以上、指導実績50症例以上などが条件
  • 学会入会

    日本病院薬剤師会の会員になる
  • 実務経験

    薬剤師実務経験が5年以上必要
  • 実技研修

    日本病院薬剤師会が認定する
    研修施設で実技研修を3カ月以上履修
  • セミナー受講

    日本病院薬剤師会が認定する
    がん領域の講習会、及び学会が主催する
    がん領域の講習会などを
    所定の単位(40時間、20単位以上)履修
  • 申請・試験

    がん患者への薬剤管理指導の
    実績50症例以上(複数のがん種)を提出
取得方法

資格取得には次の条件を満たす必要があります。(1)日本の薬剤師免許があり、薬剤師として優れた見識を備えていること。(2)薬剤師としての実務経験が5年以上あり、日本病院薬剤師会の会員であること。(3)別に定める学会のいずれかの会員であること。(4)日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし日本医療薬学会認定剤師であればこれを満たす。(5)日本病院薬剤師会が認定する研修施設(以下「研修施設」という)において病棟業務、抗がん薬注射剤混合調製、薬物血中濃度モニタリング、緩和ケア等の実技研修を3カ月以上履修していること。または研修施設において3年以上、がん薬物療法に従事していること(所属長の証明が必要)。(6)日本病院薬剤師会が認定するがん領域の講習会、及び別に定める学会が主催するがん領域の講習会などを所定の単位(40時間、20単位以上)履修していること。ただし40時間のうち日本病院薬剤師会主催のがん専門薬剤師に関する講習会12時間、6単位以上を取得すること。(7)がん患者への薬剤管理指導の実績50症例以上(複数のがん種)を満たしていること。(8)病院長あるいは施設長等の推薦があること。(9)日本病院薬剤師会が行うがん薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。
※(3)の「別に定める学会」は次の通り。日本医療薬学会/日本癌治療学会/
 日本薬学会/日本臨床腫瘍学会/日本臨床薬理学会/日本緩和医療学会/ 日本癌学会/ 日本緩和医療薬学会/日本臨床腫瘍薬学会

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