パナソニック健康保険組合 松下記念病院

業種 病院
2015年取材記事
高い専門性を発揮し
患者さんからも医療スタッフからも
信頼される薬剤師へ。
薬剤部
薬学部卒業 2008 年入社
私のCAREER
病院薬剤師

医薬品情報室担当として、医薬品の情報を一元管理し、医療スタッフにて必要となる情報を的確に提供するとともに、 感染対策チームの一員として院内の感染対策に従事。 毎週1回、医師や看護師、検査技師とともに病棟をラウンド(巡回)し、院内の感染防止対策に努めています。

8年のCAREER

  • 1年目

    薬剤師(院内調剤)

    松下記念病院の先進的な取り組みに魅力を感じ入社。調剤業務の傍ら、1年目後半から電子カルテや注射薬払出装置の導入準備にも携わる

  • 2年目

    病棟担当

    抗がん剤調製を含む調剤業務を続けつつ、病棟での薬剤管理指導業務にも携わり、消化器内科、泌尿器科、眼科、耳鼻科などを担当

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    ここがPOINT1

    1~2年目は、「仕事を正確かつ迅速に進めること」を最優先に取り組んだことで、勉強する時間をつくることができました。

  • 3年目

    感染対策チームに所属

    感染対策チームの一員として、医師、看護師、検査技師とともに、院内の感染対策に従事。耐性菌に対する適切な対応や院内感染の予防に注力

  • 6年目~

    医薬品情報室担当

    医薬品に関わる情報を一元管理し、医療スタッフに適切な形で資料を提供。7年目には抗菌化学療法認定薬剤師、8年目には感染制御認定薬剤師の資格を取得

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    ここがPOINT2

    後輩薬剤師も十数人に増え、実務実習などでも指導する機会も多くなり、きちんと道を示さなければという気持ちが強くなりました。

目指すは、薬のことなら
何でも答えられる薬剤師

 私の目標は、薬に関することなら何を聞かれても的確に答えられる薬剤師になること。これは薬剤師を目指すことを決めた当初から変わっていません。「薬の専門家」として、幅広い知識を習得し、チーム医療の一員として、自らに求められる役割を全うし、存在感を発揮したいと考えています。
 そのため進路も、若いうちからいろいろなことを経験でき、かつ先進的な取り組みをしている病院にと考え、松下記念病院を選択しました。当時は機械化に向けた切り替え期で、新人時代から調剤業務に従事する傍ら、電子カルテや注射薬払出装置の導入のための準備に関わることに。まだ業務にも慣れていないのに、薬品マスターの登録や管理など初めてのことばかりで、まさに怒濤の日々でした。しかしそのおかげでシステムの基本的な構成や考え方がわかったことは大きな収穫でした。
 2年目には、病棟での薬剤管理指導業務も行うようになりました。当時はまだ病棟常駐ではなく、抗がん剤調製なども含む調剤業務を行いながらでしたが、「より患者さんに近いところで仕事をしたい」という私の希望が叶えられた形でした。病棟に行くようになって痛感したのは、コミュニケーションの重要性です。患者さんへの説明はもちろんですが、医師や看護師に話を聞いてもらい、提案を受け入れてもらうためには、良好な関係づくりが必要不可欠。最初はわからない質問も多かったのですが、専門書を読んだり、他病院に勤める大学時代の同期に聞いたりしながら、一つひとつ丁寧に答えることで、信頼を得られるように努めていきました。

感染対策の重要性と難しさを
実感し、本格的に勉強を開始

 転機が訪れたのは、3年目のこと。感染対策チーム(ICT)に所属したことをきっかけに、抗菌薬について深く学ぶようになったのです。感染症はどの診療科でも度々発生し、抗菌薬は頻繁に使われています。しかし、厳密な意味での適正使用は容易ではなく、例えば耐性菌の一種であるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を殺菌するバンコマイシンを使用する際には、血中濃度をモニタリングし、投与設計をしていくことが求められます。バンコマイシンに限らず、感染症の患者さんには、薬剤の選択、投与の量や間隔など、細かな設計が必要になります。抗菌薬の選択や設計がうまくいき、副作用も出ず、患者さんが無事に退院できた時は大きなやりがいを感じます。
 一方で、感染症専門の医師の数が少ないという、現状と課題も見えてきました。そこで、感染制御に精通している薬剤師がいれば、感染症治療にも貢献でき、医療スタッフからも頼られるのではないかと本格的に勉強に取り組むことに。せっかく勉強するならと、抗菌化学療法認定薬剤師や感染制御認定薬剤師の資格も取得しました。

半歩先を読んだ
情報提供を目指して

 2013年から当院で薬剤師の病棟常駐が開始されるに伴い、私はその後方支援に当たるため、医薬品情報室を担当するようになりました。一通りの病棟業務を経験し、またICTとして様々な医療スタッフと連携してきた経験を活かし、医薬品情報の一元管理をするとともに、必要とされる情報を必要としているスタッフに的確に届けるということを念頭に、仕事を進めています。薬剤師に限らず、医師や看護師からの「薬に関する総合問い合わせ窓口」的な役割も果たしているので、日々多くの質問も寄せられ、それに答えているうちに自ずと知識の幅も広がります。
 さらには、医療スタッフが今何に困っているのか、どういう情報を必要としているのか、半歩先を読んだ情報提供にも積極的に取り組んでいます。そうすることで、問い合わせの数も減りますから。もちろん問い合わせの数を減らすことが目的ではありませんが、常により業務の質を高めていきたいと考え、行動するようにしています。

何か一つ〝得意分野〟を
つくることを考えて

 昨今では、認定薬剤師や専門薬剤師の資格も増えてきていますが、最初は「ジェネラリストになりたい」という思いが強すぎて、あまり資格取得には積極的ではありませんでした。しかし実際に、感染制御認定薬剤師の資格を取得してみると、チーム医療として他部署のスタッフと連携したり、協力をお願いする際にスムーズにいくなど、資格は1つの〝武器〟になります。ジェネラリストを目指すにしても、「これに関することなら誰にも負けない」と言える〝得意分野〟を何か一つ持つことは、意義のあることだと思います。
 また、私の持っている知識や意図を相手に的確に伝えたり、意思疎通を潤滑にできるよう、コミュニケーション能力をさらに高めていく必要があると感じています。今後、専門書だけでなく小説など、様々な本を読むことで、一般的な知識やボキャブラリーも増やしていきたいですね。
 学生の皆さんにも、ぜひ勉強だけでなく、旅行をしたり、アルバイトをしたり、何でも経験して、感性を磨いてほしいと思います。そして何か1つでも、自分のやりたいことを見つけてほしいと思います。それが見つからない時は、病院や薬局、企業などの現場を実際に訪れ、自分の目で確認することです。なおかつ、例えば実習先の病院を見て「病院はこういうものだ」とイメージを固定化するのではなく、複数施設を見比べることです。そして自分に一番合うところ、働きたいと思えるところを選んでほしいと思います。

TO MY FUTURE

Myタイムカプセル

5・10年後の私

患者さんはもちろん、医師、看護師、検査技師などの医療スタッフからも信頼され、必要とされる薬剤師になり、チーム医療において高い専門性を発揮し、有効かつ安全な薬物療法の推進に貢献していきたいと思います。また日々、自己研鑽に励み医療人として成長し、後進に道を示す存在になりたいと考えています。

これが私のルール

自分の中で「ルール」を決めて
常にベストを求め続ける

間違いをしない、より良いものにするための「マイ・ルール」を常に念頭に、仕事を進めています。例えば、医薬品情報を提供する際の資料づくりでの「マイ・ルール」は、「簡潔」「的確」であること。相手にとって本当に必要な情報は何か、どうすればそれが明確に伝わるかを考えながら、「見やすく、わかりやすい資料づくり」を進めています。

これが成功の分岐点

専門としていく
テーマが見つかり
知識習得の意欲も向上

感染対策チームに所属したことが、私の分岐点です。進むべき道に悩んでいた私にとって、自らが専門としていくテーマが明確となったことで、勉強にもこれまで以上に熱が入るようになりました。感染制御認定薬剤師の資格を生かし、さまざまな職種の医療スタッフと連携し、感染症治療に貢献していきたいと考えています。

私流自分の磨き方

「時間の使い方」を考え、
行動することで勉強時間を確保

「同じ失敗を2回はしない」が私の信条。間違えた時には「どういう時に間違いが起きたのか」、その時の状況を思い返し、「どうすれば防げたのか」を考え、実践するようにしています。また、必要な作業には十分に手間と時間をかける一方で、できる限り無駄を省くなど、「時間の使い方」にも人一倍気を遣い、個人の勉強する時間の確保に努めています。

オフタイム

趣味は温泉と走ること。週末はランニングをしてから、スーパー銭湯でリラックスしたりしています。年に1回は長期で旅行にも出かけます。
大阪マラソンにも昨年出場し、今年(2015年)も出場する予定で、今、練習中です!

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